JINSEI STORIES
滞英日記「パリのボンマルシェに負けないロンドンのリバティがかっちょえがった!」 Posted on 2023/09/27 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、いや、はじめて「リバティ(LIBERTY)」というデパートに行ったのだが、実に、かっこよかった。パリの老舗デパートのボンマルシェに勝るとも劣らない、雰囲気のある歴史的デパートなのであった。
何が、かっこいいかって、壁から手すりから何もかもが古いシェークスピア劇場みたいに木で造られているのであーる。
その木の年季の入り方が半端ないし、上階にあがる階段にはステンドグラスもあって、ひゃああ、しゃれおつじゃん。あーるぬーぼー、らしい。
なんだよ、これがロンドンなんだ、と恐れ入った父ちゃんなのであった。
ともかく、また、衣服などの売り方も、店構えというのか、商品の陳列も、たとえば、各メーカーごとに店構えがあるわけじゃなく、全体が一つのセレクトショップみたいになっており、たとえば、リック・オーエンやドリス・ヴァンノッテンが、ラックごとに分けて吊るされているのだ。
服はラックにハンガーで、十着以内くらいずつ、まるで画廊のように、選び抜かれたものが、陳列されており、センスいい!!!
その売り方がかっこえがちゃんであった。(DSライターさんから、パリのラファイエットなどもやってますよー、とのことで、おおそうか、時代が変わりつつあるのじゃぁ)
しかし、この古い木製のデパート、何から何まで、時代が止まっていて、独特で、かなりユニークで、しかも、しかも、しかもだ・・・
入口が花屋になっていて、恐る恐る中に入り、花屋から抜けると、一階の化粧品売り場にじゃじゃじゃじゃーんと出てしまうという花やしき状態。
花屋の店員さんたち、視線の置き場に困らないか、と思いながら、こっちもきょろきょろしながら、デパート内へ、入るのだった。なんちゅう、演出じゃ。
この異常なコンセプト。今頃知った時代遅れなパリジャン、父ちゃんの驚きを皆さん、ご想像願いたいのであーるぬーぼー。
地下の紳士売り場がこれまた充実しており、メンズは普段素通りする父ちゃんだが、けっこうユニセックスなので、足がとまって、思わず見入った。ああ、リバティ、大好き!
パリのボンマルシェより一回り小さい印象があるが、それは定かではない。何か、全体がコンパクトに見えるだけかもしれない。
1875年に、アーサー・ラセンビー・リバティ氏によってはじめられたという。19世紀の後半からやっているのだ、すごいなぁ。
デパートの中心には天井まで届くかというオブジェが屹立(もしかしたら、吊るされている)し、ガラスの天井から光が降り注いでいた。
エスカレーターはない。エレベーターと階段のみで、エレベーターはリフトというらしい。リフト、・・・。かっちょえがちゃん。
何か、博物館のような、時代の流れを大切にとどめたデパートなのであった。
父ちゃんは何も買わなかったが、美術館を楽しんだような幸福感を得て、リバティをあとにしたのであった。
ぜひ、10月、父ちゃんライブの前か後に、ご来店頂きたい。えへへ。
リバティを出てから、Youtubeライブで覗いたハット屋さんに立ち寄り、ボルドー色、グレー色、の二つのハットと、冬用のハンチングを買った父ちゃんだった。ここもメイドインイングランドの店らしい。(チェーン店だけれど)
今日も店番は、ロニー&トーマスだった。
ロニーが小一時間つきあってくれて、全部選んでくれたのだ。かなり素敵なハットを手に入れたので、ライブでかぶるね、お楽しみに!!!
10月のライブが楽しみでしょうがない。
よし、熱血でいくぞ!
※ 仲良くなったロニー。父ちゃんの帽子は彼が選んでくれたのだった。かっちょえがちゃん!!!!
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
ロンドン、本当に面白い。どこを歩いても新鮮だし、人もいい。みんなすごく優しくて、嬉しくなる。今日はこれからポール卿と来月のライブの宣伝担当のキースのオフィスに行きます。また、詳しく、お知らせしますね。うまくいくように祈っておいてくださいませ。メルシー。
さて、お知らせです。
30日、土曜日、22時からラジオ・ツジビルをやります。ご参加ください。
毎週、生放送ラジオやっています。ラジオ・ツジビル。ご視聴されたい皆さまは、オンライン村へ、どうぞ!!!
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