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パリ最新情報「パリ、動かないエレベーターの何故。パラリンピックの懸念材料にも」 Posted on 2023/09/03 Design Stories  

 
パリのメトロ、アパルトマン、ショッピングセンターで見かけるエレベーターがいつまで経っても動かない。
それも故障中、メンテナンス中と張り紙があれば親切な方で、いつ再開するかはまったくの謎である。
 

パリ最新情報「パリ、動かないエレベーターの何故。パラリンピックの懸念材料にも」



 
こうして頻繁に起きるエレベーターの故障が、2024年パリ・パラリンピックの一つの懸念材料になっている。
健康な人であれば階段に切り替えればよいが、足の不自由な人、高齢者、心臓に疾患を持つ人にとっては深刻な問題になり得るからだ。

仏紙ル・パリジャンが独自で行った調査によると(23年8月29日)、パリにある屋外公共エレベーター28基のうち、なんと22基が故障中であることが分かった。
エレベーターは無作為に選んだという。
しかしながら調査では、パリにある公共エレベーターのうち、現状わずか15%しか稼働していないことが判明した。
 



 
この状況は今に始まったことではないが(パリ市議会による報告書では2017年にすでに言及されている)、状況はほとんど変わっておらず、オリンピック・パラリンピック開幕を1年後に控えた今、憂慮すべき事態となっている。

ではパリのエレベーターは何故、ここまで動かないのか。
エレベーターの故障はアパルトマン、メトロ構内でも頻繁に起こっている。
屋外(公共)のエレベーターではもっと多いのが現状だ。
屋外エレベーターがここまで稼働していない理由については、仏紙ル・パリジャンは「ガラス扉」が原因の一つになっていると述べた。
 

パリ最新情報「パリ、動かないエレベーターの何故。パラリンピックの懸念材料にも」



 
パリおよび郊外の屋外エレベーターは、美観、使いやすさ、安心感を与えるという理由から、全面ガラス張りであることが多い。
ところがすべてが屋外に設置されているため、風雨にさらされやすく、設置物が酸化したり、砂利や石の破片がエレベーターの作動を妨げてしまうというのだ。
また、ガラスが割られるという被害も少なくない。
7月に起こったフランスの暴動でも、各所のガラスが割られる事件が相次いだ。

つまりこれは、ガラスが割れるたびに機器を停止しなければならないことを意味する。
各パーツの交換が終わってからでないと使用できないため、再稼働には時間がかかってしまう。
しかしフランスの修理会社・管理会社は日本に比べ対応が遅い。
各所で調達の遅延が発生するため、これほど多くの延期が発生しているのだ。
 

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※エスカレーターも頻繁に止まる。



 
また仏紙ル・パリジャンは同時期に、足の不自由な女性の協力を得て、パリの中心地を歩いて回るという調査を行った。
結果、女性は「設備の整っている所とそうでない所があり、“ハンディキャップ・フレンドリー”とは言えない」と感想を述べた。
エレベーターの故障問題もそうだが、女性にとってはカフェ・レストランのトイレが地下にあるのも辛いという。
(パリではほとんどのトイレが地下にあり、急な螺旋階段を降りなければならない)

2024年のパリ・パラリンピックに向けて、パリには約35万人の障がいを持つ人が訪れると予想されている。
それに対応するため、パリ市はすべての施設や店舗をバリアフリーにする取り組みを進めている最中だというが、エレベーターの稼働率も含め問題は山積みだ。(大)
 

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