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パリ最新情報「日本をお手本に。バカンス中でも行列の、パリ式猫ちゃんカフェ」 Posted on 2023/08/06 Design Stories
フランスは今、バカンスの真っ最中だ。
いつもは賑やかなパリの中心部も、人通りが少なくひっそりとしている。
そんな現在のパリで、行列のできるカフェが11区にある。
その名も「Le Café des Chats(ル・カフェ・デ・シャ)」、保護猫たちのカフェ・レストランだ。
フランスで初めて誕生した猫カフェ、ル・カフェ・デ・シャは、オーナーのマルゴーさんが日本の猫カフェにヒントを得て、10年前に始めたという。
開業資金はクラウドファンディングで集め、猫たちはフランスの動物保護団体から譲り受けた。
※11区のル・カフェ・デ・シャは2号店。現在はこちらのみの営業となっている。
しかし当初は、他の保護団体から「猫をオブジェにしている」と批判を受けたこともあったそうだ。
マルゴーさんはこうした批判に対し、「私たちが猫を迎えるとき、その見た目を優先することはあり得ません。私たちが優先するのはただ一つ、猫たちが幸せに暮らせることです」と反論。
すべての猫に避妊手術を施し、定期的なワクチン接種のほか、政府機関からも厳しい検査を受けていることを公式ホームページにて述べている。
※カフェの利益の一部は動物保護団体に寄付される。
ル・カフェ・デ・シャに猫用のケージはない(獣医への移動は除く)。
猫たちは24時間フリーで、厨房以外の店内を自由に行き来することができる。
店休日にはスタッフが交代で猫たちの世話をしているという。
※入り口は二重扉。
雰囲気もとても自由で、猫カフェというよりは「普通のカフェで猫ちゃんがスヤスヤ寝ている」という感じだった。
猫好きたちが集まっているには違いないが、中にはノートパソコンを広げて作業するノマドワーカーの姿もあった。
しかしオーダー方法は猫たちに配慮している。
QRコードからメニューに飛び、オーダーはそこからワンクリックするだけで自動的にキッチンに飛ぶ。
それもカード払いであれば、会計まですべてがスマホ一つで終了するのだ。
これによってスタッフの行き来が減り、歩く猫ちゃんの邪魔をしなくて済む、ということだ。
※席番号の書かれたQRコードのメニュー。
メニューは普通のカフェ・レストランと変わらない。
ブランチからアペロ、ディナーまで豊富なメニューがあって、ワインやビール、チーズのプレートもある。
なお料金は飲食代のみで、時間制ではない。
※ボロボロになった椅子も味わい深い。
ただし規制は少しあって、12歳以下の子どもは保護者の監視の下でなければならず、ひとりで猫に触れることはできない。
また当然ながら人間の食べ物を与えるのは禁止、猫が望む以外の抱っこはNG、フラッシュ撮影も禁止となる。
パリのル・カフェ・デ・シャは、日本の猫カフェに影響を受けたひとりのパリジェンヌによって始められた。
猫ちゃんたちも本当に自由そうで、隠れることもなく、のびのびとした印象を受けた。
8月に行列ができる店はパリでは珍しいが、猫ちゃんカフェにはこうして、お昼時を過ぎても多くの人が集まっていた。(オ)