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滞仏日記「いつの間にか、監督作“中洲のこども”がロングラン、三週目に突入してた」 Posted on 2023/07/16 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、地球カレッジの回線チェックをした時に、東京のスタッフさんから、日本は暑くて、特に秋田方面の雨が大変、と教えられ、心配しているのであった。
東京が38度になるかもしれない、というので、もうすぐ日本に向かって出発しようとしている父ちゃん、体力が持つか、これまた心配になったのであった。
携帯紛失マネージャーのMMはご家族と沖縄にいるようで、こっちはそこまで暑くありません、と羨ましいバカンス自慢。沖縄か、いいなぁ。東京下町育ちの山下さんは、永福町のパーキングエリアのマイカーの中から回線チェックに挑むということで、西永福に住んでいたことのある父ちゃんは、懐かしかった。(西永福の洋食のチャンピョン、まだあるかいな)
とまれ、オンラインの時代、どこにいても、すぐに繋がることが出来るから便利である。
日曜日は、スタッフさんがいないので、たった一人でパリから生配信であーる。三四郎はいるけれど・・・。ふふふ。あの子は何もできない。
そして、福岡からは嬉しい知らせが届いたのだった。これじゃ!

滞仏日記「いつの間にか、監督作“中洲のこども”がロングラン、三週目に突入してた」



「監督、今日も満席でした」
とプロデューサーの相川さんから、メッセージ。
「あれ、13日までの公開じゃなかったでしたか?」
「興行順調なので、三週目にロングランしているんですよ。言いましたよ」
えええ、父ちゃんがライブのことに気を取られているあいだに、2週間で終わる予定だった福岡の中洲大洋映画劇場で公開中の映画「中洲のこども」が、なんと、三週目に突入していたのだとかぁ・・。おおお、すげー。
親はいなくても子は育つ、といういい例であーる。知らんかった。
この映画はコロナ直前にクランクインした映画「真夜中の子供」が中断し、座組を一新、新しいプロデューサーが古いチームの力を借りて、「中洲のこども」として再撮影したものだった。
スタッフではぼくだけが残り、後は総とっかえ、地元の若い撮影隊が結成された。
映画監督という仕事は、みんなが離れてもなかなかポンと投げ出せない立場でもある。
この間に、数年の歳月を費やし、もちろん、ボランティアなので、またしても一銭にもならない仕事ではあったが、福岡のために一肌脱いで完走しきったものだから、ロングラン、と訊いてホっとした。
はじまりとなった「真夜中の子供」は日本アカデミー賞に輝く盟友・撮影監督蔦井さんを中心に昔ながらのチーム編成でやったのだけれど、完走できず、・・・。
新しい映画「中洲のこども」はマジで、20代、30代の新しい映画エイジによる若々しいチームだった。経験が少ない分、ガッツはあった。予算がほぼなかったのに、最後まで若さで走り切ってくれた。
撮影監督の宗君をはじめ、みんな、本当にありがとう。新旧、全スタッフにこの場を借りてもう一度感謝を述べたい。めるしーぼくー。

滞仏日記「いつの間にか、監督作“中洲のこども”がロングラン、三週目に突入してた」



三週目がいつまでか、ちょっと現時点で父ちゃんわからないのだが、日曜日と月曜日、くらいまではやっているのではないか、と想像しているので、まだ映画を観ていない福岡の皆さん、最後になるかもしれないこの機会にぜひ、ご覧頂きたいのであーる。
それにしても、父ちゃんの元には、映画の情報がほとんど入ってこない。
福岡に事務所があるが、恒ちゃんは母さんの面倒があるので、忙しいのであろう。
福岡に若干、友だちがいるけれど、誰からも連絡がないので、正直、ロングランしていることさえ、わからなかった。
福岡を盛り上げるために作った映画なので、福岡で盛り上がらなかったら、どうしようもなかった。笑。せーふ。
ひとまず、3週目に入ったのは上出来であった。引き続き、応援のほど、よろしくお願いいたしますなのであーる。
8月24日、父ちゃんのライブが、福岡の国際会議場メインホールで開催されるので、その翌日とかに、中洲大洋さんに、ご挨拶にはいきたいな、と思っておるのであーる。ご挨拶出来ない場合は、映画館の前で「よー、まひとつ」を単独でやってこっそり帰るかな、あはは。笑。
中洲の入り口にある、いい雰囲気の映画館なんだとねー。
なので、個人的にめっちゃ嬉しいのだ。
熱血~。

滞仏日記「いつの間にか、監督作“中洲のこども”がロングラン、三週目に突入してた」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ということで、自分の知らないところで少しずつ、いろんなことが動いていますね。それが人生なのです。黙々とやっていると、ある日、いい知らせも来るというものです。
さて、本日、日曜日ですが、20時から、作家の父ちゃんがエッセイ教室をやります。自分がどうやってエッセイと向き合っているか、ちょこっと講義しますね。エッセイを書いてみたい皆さん、ぜひ、覗いてみてくださいませ。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックですですです。

地球カレッジ

さらに、ライブのお知らせです。
名古屋、東京、京都公演は売り切れました。福岡国際会議場メインホールでの追加公演ですが、22日に一般発売開始です。



自分流×帝京大学