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パリ最新情報「カフェの街パリの底力。1ユーロで飲めるカフェをマップに記載、皆が参加!」 Posted on 2023/07/11 Design Stories
パリと言えばカフェ、カフェと言えばパリ、というように、この二つは切っても切れない関係にある。
早朝から深夜まで、住民にも旅行者にも憩いの場となっているパリのカフェは、実は17世紀から始まっておりその歴史も大変に古い。
昔は1ユーロ以下でコーヒー(正確にはエスプレッソ)を飲めたそうだが、現在ではほとんどが2ユーロ以上となっている。
インフレの試練により、値上げを余儀なくされるカフェも少なくない。
※2022年の調べでは、パリのコーヒーの平均価格は一杯2.48ユーロだった。約385円。
ところがパリ市は10年ほど前から「1ユーロのカフェマップ」を作成しており、ワンコインで美味しいコーヒーが飲める場所を公式ホームページにて公開している。
マップには、パティスリーorブーランジュリーのテラス席、バー、ビストロ…と、カフェだけではないスポットもたくさん載っている。
※パリ市公式ホームページより。
https://www.paris.fr/pages/cafe-a-1-euro-dans-paris-mythe-ou-realite-23691
適宜更新される「1ユーロのカフェマップ」。
パリ市が先導して作っているのもすごいが、さらに興味深いのはこの地図が参加型であるということだ。
パリ市は住民に対して、公式ホームページまたはフェイスブックやツイッターを通して、1ユーロカフェの場所を提供してくれるよう依頼している。
(新しい発見、値上げなどで変更があった場合もしかり。)
参加は住民だけでなく、旅行者も誰でも匿名でOK。カフェの名前、カウンターで提供するのかテイクアウトなのかを記入する必要があるが、プラットフォームを見る限りは非常に簡単で分かりやすいシステムだった。
例えばマレ地区にある写真のカフェでは、実際に1ユーロのエスプレッソを提供している。
※こちらはテラス席ではなくカウンターのみで飲める、ということだった。
先週末は気温が30度を超え、パリも暑かった。そのためテラス席で冷たいドリンクを飲む、という人の方が多かったが、安くて美味しいエスプレッソは朝の一杯、夕食後の一杯として嬉しいかもしれない。
こうしてパリ市のホームページでは、どこで1ユーロのエスプレッソが飲めるか? を正確に知ることができる。
ただ数年前は200軒近くあった1ユーロカフェも、今では60軒ほどになってしまったという。
しかしパリ市は「そんな古き良き時代に戻ってみましょう」と呼びかけ、この小さなマップを頼りにパリの路地裏散策も楽しんでみてください、と提案している。
パリがカフェの街、と呼ばれるのも、このような取り組みがあってこそだと思う。(オ)