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欧州最新情報「アイスクリーム店のエコな試み」 Posted on 2023/06/21 Design Stories  

このところ良いお天気続きで、昼間は30度近くまで気温が上がっているドイツ。こういうお天気だとアイスを食べたくなるのか、街中のアイス屋さんはどこも賑わっている。

私が14年前に初めてマインツでアイスを買った時、1スクープ、シングルの値段は確か70セント(現在のレートで約100円)だったと記憶している。安いな、と思ったが、アイスの値段はほぼ毎年のように10セントずつ値上がりを続け、今ではシングルが1ユーロ80セント(約270円)。10年以上経っているとはいえ、他のものに比べるとかなりの値上がり率である。

欧州最新情報「アイスクリーム店のエコな試み」



さてこのアイスの値段、日本だとダブルやトリプルにすると単純にシングルの2倍、3倍…とはならず少し安くなる(参考までに:サーティワンのシングルは420円、ダブルは740円)。面白いことに、ドイツでは今までこういった割引はどこのアイス屋でも見られなかった。ところが今年、マインツ1人気のアイス店N’Eisでダブル、トリプルもしくはそれ以上の場合、値段が割引になっていた。シングルだと1ユーロ80セントだが、ダブルでは3ユーロ20セントに。それ以上は1スクープごとにプラス1ユーロ50セントに設定されている。

不思議なもので、割引があるとそちらを買いたくなるもの。普段はシングルしか買わない私も思わずダブルを買っていた。

N’Eisでは他にも面白い取り組みをしている。コーンかカップか選んだ時、カップを選ぶと10セントの追加料金を取られる。これは環境に配慮したもので、お店のFacebookサイトには、「追加料金を取ることでゴミが少なくなることを願っています。2022年はこの追加の徴収で得られた3500ユーロを地元の環境団体に寄付しました。」とあった。そして今年のお金の使い途についてのアイデアの募集もしている。

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このお店以外にも、環境に考慮していた取り組みをしているお店がある。こちらもマインツの人気のアイス店、Eiscafé Florenzでは、使い捨てのカップではなく再利用のカップを利用できる、とのお知らせが。ただしこちらは2ユーロ(約300円)のファンドが必要なので(カップをお店に返却するとファンドは返金される)、どこまで利用する人がいるかは微妙な感じで、私が並んでいる間に利用していた人は残念ながら1人もいなかった。

ダブル・トリプル割引とカップの追加料金徴収は、今のところ実施しているのはN’Eisアイス店のみ。これから夏に向けてさらにアイスの売り上げが伸びるであろう時期、他のお店がどのような対応をするのか興味深い。(マ)

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