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パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」 Posted on 2023/06/20 Design Stories  

 
ガストロノミーの国に住む、フランス人が選ぶ「大好きなスイーツ」2023年版が発表された。
調査は6月17日〜19日にパリで開催されたパティスリーの祭典「サロン・ド・ラ・パティスリー」に合わせて行われた。※仏世論調査機関のOpinionWayが5月末に実施。
フランスには伝統的なパティスリーがたくさんあるが、今回のランキングには初登場のものもあった。
時代に合わせて少しずつ変化する彼らの好みを紹介したい。
 



パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」

 
1、フルーツタルト

1位はフルーツの乗ったタルトだった(全体の4割)。
人気はイチゴタルト、リンゴタルト、レモンタルトの3つで、イチゴタルトはその中でもナンバーワンであった。
フルーツのタルトは家庭でもよく作られる。
バリエーションも豊富で、イチジクやルバーブ、今の季節だとアプリコットのタルトなどが多い。
またOpinionWayはこの度、「フルーツタルトは、他のケーキに比べて価格が安いことが選ばれた理由の一つかもしれない」と述べている。
 

パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」

※レモンタルト(Tarte au citron)もフランス定番のスイーツ。メレンゲの乗ったもの、乗っていないものとあるが、お店によってさまざまな形がある。

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2、エクレア

2位はエクレアだった(36%)。
中でもチョコレート味がダントツで、次ぐ人気はコーヒークリームのエクレアだった。
ちなみにエクレアはフランス語の「稲妻・電光(エクレール)」を語源としている。
理由は諸説あるが、中のクリームをこぼさないように稲妻のごとく素早く食べる必要がある、シュー生地の亀裂が稲妻のように見える、稲妻に打たれるほど衝撃的な美味しさ、などが主な理由だそうだ。
マンゴー、ピスタチオ、ココナッツ、ブラックベリー味と色々なエクレアがあるのも特徴的。
またエクレアも、パティスリーの中では比較的価格が安いことが選ばれた理由なのだという。
 

パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」

 
3、ミルフィーユ

1位のフルーツタルト、2位のエクレアと同様、どのパティスリーにも置かれているミルフィーユ。
歴史の古いミルフィーユは31%のフランス人が「一番好き」と選んだそうだ。
こちらも製法や形状はバラエティーに富んでいて、パティシエによってさまざまな形がある。
中には上部にチョコレートのコーティングがあったり、プラリネ風味、そして秋限定のマロン・ミルフィーユなどがある。
 



パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」

 
4位はフランとパリ・ブレストが同票だった。
フランはフランスの国民的お菓子で、味のイメージとしてはカスタードタルトや焼きプリンタルトに近い。
家庭でもよく作られる。
 

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※パリ・ブレストは首都パリと西の都市ブレスト間で行われた、自転車レースを基に作られたフランスの伝統菓子。



 
5位はチョコレート系のケーキ(オペラ、フォンダンショコラなど)、6位はクッキー、7位マカロン、8位シュークリーム、9位ババ・オ・ラムとサントノーレが同票、そして10位がドーナツという結果になった。
 

パリ最新情報「フランス人の一番好きなスイーツ2023が発表に。時代によっても変化する好みとは!」

 
なお調査では、90%のフランス人が「自分へのご褒美」としてパティスリーを購入しているとのこと(平均は月に一度)。
ただ2023年の特徴としては、続くインフレによって価格の安いものが目立った。
クッキーやドーナツといった新顔が登場したのも今年の傾向で、35歳以下ではクッキーが堂々の1位だったそうだ。
確かにパリではしっとり大判のクッキーが人気で、近年はクッキーショップがいくつもオープンしている。
パティスリーの伝統そのものは変わらなくても、ランキングは時代によって少しずつ変化するのが今回の調査によって分かった。(オ)
 

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