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パリ最新情報「雰囲気も大事、思わず入りたくなるパリのカフェ特集!」 Posted on 2023/06/14 Design Stories
パリではサマーテラスが4月1日から戻っており、大変な賑わいを見せている。
サマーテラスとは「仮設テラス」のことで、コロナ禍から許可されたカフェ・レストランの救済措置を意味する。
通常、テラス席は屋内に比べ数が限られているのだが、飲食店はこれを路上の駐車スペースにまで拡大することによって集客・売り上げを確保した。
仮設とはいえ店舗側には多くの利益をもたらしたようで、コロナ禍が終わった今も元気に営業が続けられている。
※仮設テラスの一例。市役所の許可が必要で、今年は4月1日〜10月31日までとなっている。申請した一部のカフェ・レストランで営業中。
夏至が近づいた今、フランスでは日没時間が21時50分と、一年でいちばん日の長い季節になった。
現在ではどのテラス席も、初夏の太陽を楽しむ人であふれ返っている。
ドリンクや食事の味はもちろんなのだが、カフェに入る時には場の雰囲気も大事にしたい。
パリにはそうしたカフェ・レストランがたくさんあって、時に味覚以上の満足度を我々に与えてくれる。
ではインテリアの雰囲気から演出まで、「入ってみたい」とそそられるパリのカフェをいくつかご紹介したい。
パリでは、ファサード部分を造花で彩った「造花カフェ」が増えている。
しかし本物にはやっぱりかなわない…と思わせてくれるのが、ノートルダム寺院近くの「Au Vieux Paris d’Arcole」だ。
藤の季節は終わってしまったが、最盛期の4月末〜5月にはたくさんの人々が訪れ、写真撮影を楽しんでいた。
モンマルトル地区にも可愛いカフェがたくさんある。
路地が狭いためテラス席もひしめき合うように並んでいるのだが、テーブル周りには素敵な工夫がされていることが多い。
例えば写真のポール鉄、ペイントが施されているのも可愛い上に、この間隔を上手に利用したテラス席が可愛い。
石畳の坂道も相まって、ヨーロッパの路地裏らしい雰囲気にあふれている。
またパリ右岸のマレ地区にも、新旧・お洒落なカフェが多く存在している。
何気なく視線を上にやると、クロシェ編みの素敵なランプ・シェードがあって驚いたことがあった。
※マレ地区のセレクトショップ「Merci Paris」併設のカフェ。
カフェで働く人々が着用するのは、私服・制服のどちらかに分かれる。
制服の方は徐々に少なくなっているイメージだが、黒と白の制服をびしっと着た彼らを見ると、こちらもびしっとした気持ちになったりする。
※パリのパッサージュ(アーケード)には古き良きカフェが多い。アイスクリームのケースもキュート。
フランスでは昨冬より、テラス席の暖房設備が節電のため廃止になった。
故に今年初めのまだ寒い時期には、コートを着ながら(意地でも)テラスで喫煙する人たちを見かけることがあった。
そんなパリでたまに遭遇する赤い照明は、暖房のないテラス席を温かく見せてくれた他、夜のパリらしいムーディーな雰囲気を演出していた。
カフェではないが、シャンゼリゼの売店は何とも華やかだ。
パリではバゲット・サンドイッチ、クレープ、アイスクリーム等を売る小さなお店があちこちにある。
中でもシャンゼリゼの売店は背景に完全に溶け込んでいて、道行く人の素敵な休憩ポイントになっていた。
ちなみに最高気温が30度前後にもなる今のパリでは、アイスクリームを買おうとこうした売店に多くの人が集まり始めた。
一方でテラス席ではスプリッツ(イタリア生まれのカクテル)、ビールなどがエスプレッソに代わって並び出している。
これからが夏本番のパリ、このようなテラス人気はあと数か月ほど続きそうだ。(る)