フランスでは自動車の運転免許証について、デジタル化が本格的に始まることになった。
国家安全保障機関（Agence nationale des titres sécurisés）から5月16日にアナウンスがあり、今後はこれまでの運転免許証をアプリ上で提示できるようになるという。
なおアプリ利用は義務ではなく、希望者のみとなっている。2024年初頭にフランス全土に拡大される予定。
 

 
アプリの名称は「France Identité（フランス・イドンティテ）」という。
※スマートフォンiPhone7以降のモデル、Android8以降のモデルに対応。
22年5月から一部の地域で試験的に利用されており、運転免許証のほか身分証明書（carte nationale d’identité）にも対応している。
しかしアプリに連結するにはICチップ入りの新タイプのものが必要。

このデジタル免許証は、インターネットに接続していなくてもアクセスできるのがメリットだ。
またレンタカーやカーシェアリングの手続きにおいても機能する予定で、路上での検問の際にも、ドライバーはアプリを開いて免許証を提示することが可能になるという。
 

Le permis de conduire dématérialisé arrive bientôt sur France Identité. 🚗🏎️🚛🛻🚐🚒🚚🚙https://t.co/I9kOwkNZ4o

— France Identité (@france_identite) May 17, 2023

 
アプリを利用する際は、アカウント申請後に郵送でアクティベーションコードを受け取り、QRコードを読み取って6桁のパスワードを作成することが必要だ。
またすべての個人情報は暗号化された状態で収集され、データは仏政府当局によって認証される。
さらに仏警察と国家憲兵隊が使用する本人確認装置にはチップリーダーが搭載されており、提示されたデジタル免許証が有効かどうか？ を瞬時にチェックすることができるそうだ。
 

 
フランスでこうしたペーパーレスの手続きが進んでいる背景には、各身分証の再発行・更新手続きに膨大な時間がかかることが原因だ。
そのためデジタルでの本人確認や認証の必要性は年々高まっていて、国民からのニーズも非常に大きい。
また将来的にはアプリ上で提示できる証明書として滞在許可証、パスポートが追加される予定もあるということだ。（内）