PANORAMA STORIES
マダム・アコのパリジェンヌ通信“活動的パリジェンヌの日常生活” Posted on 2023/05/27 Ako アーティスト/フリージャーナリスト パリ
パリジェンヌの毎日は、忙しいのです。
なぜなら仕事をもっているから、または学校へいっているから。
パリジェンヌは活動的です。
ひと時、パリの女性は、タバコを吸うようなイメージもありました。
が、今のパリジェンヌたちは以前よりずっと解放され、仕事にも学業にも男性と代わりなく熱中でき、男女差の少ないライフスタイルの定着のおかげで、家事のあれこれを彼や旦那さんとシェア(もちろんまだまだ発展途中の男性もいますが)、以前よりずっと自由でその表情は上向きで爽やか。
目ざまし時計の音に、心地よい眠りから引き剥がされことに文句を言う暇もなく、コーヒーを淹れながらシャワーを浴びて、まだ濡れた髪のままで自転車に乗り(今、パリにはサイクリングロードがいたるところにできているのです!)会社や学校へ行き、フラフラしながら夕方帰宅し(夜8時位までには余程のことがない限り皆自宅に到着です)、ワイン一杯付きのディナー(とても簡単な)でほっとしてベッドに潜り込む。
パリジェンは韻を踏んで「Metro Boulot Dodo=メトロ・ブロ・ドド=地下鉄・仕事・睡眠」と言っていました。
現在では「Vélo Boulot Dodo=ヴェロ・ ブロウ・ドド=自転車・仕事・睡眠」かもしれませんが。
けれどパリジャンたちは今、文句など言いません。
何しろほんの少し前に、家から一歩も出られず「ドドブロドド」もしくわ「ドドドドドド」のような、生きているのか生きていないのかわからないような経験をしたので!
仕事や学業に集中する週日は、あっという間に過ぎていきますが、パリジェンヌは頑張る時と力を抜く時の両方が好きなので、ウィークエンドには週日の世界に鍵を締め、別人のようになってのんびりゆったりたっぷり休日を楽しみます。
ウィークエンドに何をするか、といえば、もちろん様々ですが、例えばそのひとつが、友人たちやファミリーとの食事です。
それはまるでホームパーティ。
ランチでもあれディナーであれ、素敵にデコレーションされたてテーブルを囲んで、アペリティフ、前菜、主菜、チーズ、デザート、珈琲とチョコレート、という長い時間を、シャンパンやワインを片手に、時を忘れてお喋りの花を咲かせます。
お料理担当は彼や旦那さんのことも多いのですが、なぜか料理人が男性の場合、彼らは得意げにエプロン姿で皆の前に現れます。
女性だったら、キッチンでエプロンを外し、姿見で服とお化粧をチェックして皆のいるダイニングテーブルに、さっきまでオーブンの熱さやお鍋の湯気と格闘していたなんて思えないくらい、何事もなかったように現れるのですが。
ホームパーティの準備は、朝からマルシェへ出かけて旬の素材を買うことから始まり、なかなか大変ですが、招待客は週末の素敵な時間をシェアできることにワクワクと、ちょっとお洒落をして笑顔で「ボンジュール!」とやってくるので、腕まくりで頑張ります。
彼らは笑顔と共に、おのおのお気に入りのワインや、話題のチョコレート、四季の生き生きした花束など抱えてやってきます。
5月から9月くらいまでは、テラスのあるおうちは、テラスにテーブルを出すこともあります。
小さなテラスの場合は、アペリティフだけでも外の空気を楽しみながら。
そして冬には、暖炉のあるうちは、ちょっと面倒でも暖炉に火をくべます。暖炉前の席はなぜか男性が好きで、彼らは食後にはこの特等席を占領して食後酒を楽しみます。
それはもう長い時間食べ続けるわけですが、同時に喋り続ける(時に熱いディスカッションになったり、大笑いが止まらなかったり)ため、カロリー吸収と消費がプラスマイナスゼロになるので、パリの人々が太ることはありません。
と、思うのは、私だけかしら。
とはいえ、パリジェンヌたちは、週末にスポーツも楽しみます。
それはまたの機会にお話ししましょう!
Posted by Ako
Ako
▷記事一覧東京生まれ。1996年よりパリ在住。セツモードセミナー在学中にフリーライターとして活動を始める。パリ左岸に住みアートシーン、ライフスタイルなど、生のフランスを取材執筆。光のオブジェ作家、ダンスパフォーマーとしても日々活動。