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パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”! Posted on 2023/05/21 NANA メイクアップアーティスト パリ

 
フランスでは今、カンヌ国際映画祭が開催されています。
華やかなドレスも素敵ですが、職業柄、私が目を向けてしまうのはやはり女優さんたちのヘアメイクです。
そんなメイクに、今年はちょっとした変化があったようです。
欧米=決める時は赤い口紅で、というイメージがあります。
ところが目立ったのはブラウンやテラコッタカラーのリップで、全体的に「艶感のある、ヘルシー」な印象を持ちました。

パリでも赤いリップは健在ですが、昔に比べるとちょっと少なくなってきた気がします。
確かにコスメ売り場ではアースカラーの口紅が増えていて、道を歩くパリジェンヌのメイクも、よりナチュラルに、より柔らかいものに変わってきました。
 

パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”!



 
しかしもともと、ナチュラルメイクを好むフランス女性です。
ファンデーションはたくさんの種類が販売されていますが、最近では日焼け止め・下地・ファンデーションの機能を兼ね備えた「BBクリーム」が主流のようです。
1本でベースメイクが完成しますし、何より時短になるのが嬉しいですね。
フランス女性のニーズにもぴたりと一致したのでしょう。
仏YouTubeを見ていても、「BBクリーム比較」と題した動画がたくさん公開されています。
 

地球カレッジ



パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”!

 
フランスに来て困ったことといえば、メイク落としの違い、シャンプーの違い、ファンデーションの違いでした。
特にファンデーションはSPFの入っていないものが多いです。
種類はたくさんあるのに、やっと見つけたSPF入りでも、今度は色味が合わない・・・なんてことがよくあります。
撮影時はしっかりとベースメイクをするため、BBクリームはほとんど使いません。
(映像ではリアルを映し出すため使用することも)
というのは、フランスのBBクリームが日本のものに比べカバー力が少し弱いためです。
 



パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”!

 
例えば日本にいた頃に愛用していた「ラロッシュポゼ」の日焼け止め化粧下地は、SPFが50もある上、ファンデーション代わりにもなる便利なアイテムでした。
しかしフランスには同じものがありません。
これは日本向けに特別な製品を造っているとのことです。
ですのでSPFも数値が異なれば、色味もカバー力もフランス仕様になっているという訳です。
 

パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”!



 
フランスの女性はカバー力を重要視していないようです。
どちらかというと、肌色を明るく整える方が多いでしょうか。
それから彼女たちが気にするポイントはシミ・皺ではなく、目の下のクマであることが多いです。
クマがあると、やはり疲れた印象になってしまいます。
そのため年齢に抵抗する、というよりは、BBクリームやCCクリームで肌色をパッと明るく「健康的に見せる」ことに重点を置いたメイクが多いですね。
そんな艶のある肌にテラコッタのリップを、というのが昨今のトレンドです。
それからマスカラも、黒よりはブラウンが今のパリで流行しています!
 

パリジェンヌのナチュラルメイクに迫る。キーワードは“ヘルシー”!

 
「女性らしい」「フェミニン」という言葉が死語になりつつあるフランスです。
もちろんヘアもメイクもこうあるべき、というのはなくて、「自分がやりたいようにやる」方がほとんどです。
ただマスト事項はやっぱり“ヘルシー”であること!
5月の太陽の下で、楽しそうにお喋りをしている彼女たちを見ていると、どんなメイクもきらきらと輝いているように見えます。
 

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Posted by NANA

パリ在住。世界の美容とコスメのトレンドを追いかける