JINSEI STORIES
滞仏日記「なんと、親子で同じスタジオで同じ時間に隣同士で偶然リハーサルだったぁ！！！」 Posted on 2023/05/06 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、今日はめっちゃ、すごいことがあった。
１０時、左岸の音楽スタジオへと向かった。車を駐車場に入れていると、息子からメールが飛び込んで来た。
「今日、パパが前によく練習していたスタジオでリハーサル」
「え？ どこ？」
すると、スタジオの写真が送られてきた。メッセージを急いで送る。・・・そこにいるんだけど、SMSしてしまう、今の時代。
「おっと、ここじゃん！」
ぼくは楽器を担いでスタジオの中へと急いだ。
「ここに、おるよ」
「？？？」
「同じスタジオだよ。何スタ？」
「Cスタ」
たくさん、スタジオがあるのに、Cって、隣？？？
「パパはＢスタだぞ、隣じゃん。って、ライブいつ？」
「明日。みんな、集まって、練習をする。Ｂか、行ってもいい？」
「パパも、これから練習だよ。今日はエリックとホセ・ケンタウロスと３人だけど」
小さなスタジオを借りて、ボーカルの練習に、ベースのホセ、ピアノのエリックの二人に手伝ってもらったのだ。すると、同じスタジオの二つ隣で息子のチームも練習をしているというのである。
そうか、土曜日にライブだったっけ。
なんと、今、隣のスタジオにいるのであった。パリがいくら狭いとはいえ、フランスの首都なのだ。
しかも、隣のスタジオに息子がいるって・・・。
あはは。世の中、狭いのォ。
「おいでよ。あとで」
「うん、休憩の時間に顔出すね」
ということで、ぼくは自分のスタジオで練習をはじめた。エリックとホセとぼくの三人、この三人は日本語で話しが出来るので、気が楽なのであーる。
やっぱり、個人練習よりも、バンドでの練習になると、ムードがかわる。
イイ感じだ。すると、息子から携帯に電話が、
「はい」
「今、Ｂスタの前」
「おっけ」
ぼくは楽器をおろし、ドアをあけた。すると、当たり前のことだけれど、息子が立っていた。しかも、仲間が二人くっついてきたぁ～。はじめましてやのォ！！！ 息子君の音楽仲間たちだ。きゃわいい！！！
ここから、全員、フランス語になる。
「やあ、ぼくは十斗のパパだよ。君は？」
「ミリエルです」
「ぼくはユゴー」
「ああ、君たちの話は息子から聞いています。あ、紹介するね、ピアノがエリック、ベースがホセ」
「こんにちは」
「ぼんじゅーる」
「はろー」
「ぶえのす・たるです」
エリックが十斗に、大きくなったな、大学生だものね、と言った。
昔、エリックは十斗にピアノを教えていたのだ。ちなみに、エリックの顔は１００％フランス人なのだけれど、なんと、お母さんは日本人！！！
彼は日本で高校まで育った。外見だけだと、日本人には見えないんだけどなぁ、まじで、心優しき大和おやじのエリックだ。
しばし、練習を離れて、ほがらかなミュージシャン交流があった。
こうなると年齢は関係ない。
親子が繋ぐ、世界の音楽仲間たち～、なかなかいいね。しかも、パリで！
※ 右から父ちゃん、ユゴー、十斗、ミリエルちゃん！！！
ということで、ぼくも驚いたけれど、息子はうれしかったみたい。
親戚のミナちゃんにさっそく報告をしたらしい。ミナから、スタジオで会ったんだってね、狭い世界だよね、とメッセージが届いた。
息子くんが、喜んでくれたのは、親としてめちゃ嬉しかった。
彼らは明日、ライブ、なのだ。５００席、即日ソールドアウトの売り切れ！！！
父ちゃんは５月２９日、ライブなのだけど、まだまだ１０００席も残ってる！！！
皆さん、ヘルプミー。たすけてくだせー、負けるな日本！
熱血～。
※ 右がエリックさん、左がホセこと、ケンタウロスさんです。ホセは江戸っ子です、ちなみに・・・。あはは。
人生はつづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
いや、世界は狭いですよね。ミリアムちゃんもユゴー君も可愛かった。こういう子たちが頑張るパリの音楽世界なんだけれど、父ちゃんもまだ同じスタジオで頑張っているって、これはこれで、なんか清々しくないですか？ え？ 日本語まちがってるゥ？ ともかく、偶然、スタジオが一緒だったという話なんですけど、年齢の差を超えて、繋がる親子、いいじゃないですか、ねえ～！
はい、そんな熱血父ちゃんがおくる、「敷居のめっちゃ低い小説教室」はいよいよ、明日、日曜日、２０時開演です。小説を書いてみたい、でも、よくわかない、という皆さん、ぜひ、ふるってごさんか、ください。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてくださいね。熱血。
席のご予約はオランピア劇場のサイトから、どうぞ。
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もしも、日本から行きたいけど、不安という皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。現在、日本から50名くらいの方が来るだろうという予測です。本当に、大変なところありがとう。必ず、いいステージにしますね。約束！！！
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ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。
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