PANORAMA STORIES
日本とこんなに違う、フランスのエイジングケア・白髪編 Posted on 2023/04/16 ルイヤール 聖子 ライター パリ
どんどん増える白髪を鏡で見て、ハァと溜め息をつく夜が増えてきました。。。
そんな人類共通の白髪問題を、フランス人はどう受け止めているのでしょうか。
実は素敵なエピソードがあって、これもまた、パリのカフェでひとりお茶をしていた時のお話です。
隣に座っていたのは、30代後半くらいのカップルでした。
「ダイエットも全然だし、最近は白髪も増えてきた」こう悩むのはフランス人の女性でした。
一方の男性は何を返すのだろう、と思っていたら、「髪の毛が真っ白になった君もセクシー。何もしなくていい」と言うではありませんか。
「あそう?」と笑顔になった彼女をチラ見して、私の口角も思わず上がってしまいました。
(パリのテラス席は隣同士が近いため、よく会話が丸ごと聴こえてくるのです。)
これは一例ですが、フランスの方々はこのように「エイジングサインを気にはするけど、し過ぎない。それも人生の大切な一部」、と受け入れる傾向があります。
つまり年齢に抵抗する「アンチエイジング」を行う人は少なく、年齢に応じた「エイジングケア」を無理しない程度に行う。
お金をかけるなら旅行や趣味や外食やデートに…とする人が、フランスにはとても多いのです。
とは言っても出始めは気になってしまうのが白髪です。
30代からチラホラと頭のてっぺんに現れてきます。
これはフランス人も同じで、最初は男性も女性もやはり気にするみたいです。
逆に伸び伸びしているのは40代半ば以降のマダムたち。
白髪染めのルーティンを手放し、何かから解放されたように表情が明るく活き活きとしてきます。
つまり、その辺りから一気にグレイヘア人口が多くなるのです。
トレンドというのもあって、フランスにおけるグレイヘア・シルバーヘアは今、本当に多い。
白髪を皆さんポジティブに捉えています。
素敵です。
と、このように、フランス人は白髪を「老いている」と責めずに、受け入れてそんなあなたも素敵、と友人や家族同士で伝え合っています。
私もそんなフランスに来て心身がとても軽くなりました。
がしかし!
顔が違う、人種が違う、髪質も違う。
ヨーロッパ系フランス人の髪と私の黒髪では白髪の目立ち方が違う。
フランス人のスタイルを真似てみても、アレレ? 何かがおかしいぞ、と思うことはよくあります。
グレイヘアに憧れてはいても、移行期をどうするか? が本当に難しい。
ということで、私はセルフの白髪染めを頑張りすぎない程度に始めました。
そこでお伝えしたいのがフランスの白髪染め事情です。
写真をぜひご覧ください。
薬局・スーパーともにカラーリング剤の種類が豊富なフランスです。
中には棚の2〜3段が丸ごと白髪染めコーナー、といった所も。
もちろんフランス人全員が全員グレイヘアではありませんので、染める人は染めるといったスタンスでしょうか。
セルフですと植物性の白髪染めがフランスの主流のようで、ヘナ、ベニバナ、カモミール、ターメリックなどがカラー剤に含まれています。
仕上がりはフランス人の好むナチュラルなイメージに。
また染める人の中でもセルフ派と美容院派に分かれるのですが、フランスの美容院は白髪染め(カラーリング)がスピーディで、オーダーした色にドンピシャ染まることが多いです。
とはいえ、フランスでは誰かから白髪を指摘されたり残念がられたりということはないので、自分がどう満足するか? といった気持ちが一番の原動力になります。
フランスにいると、歳を重ねるのが素敵なことなんだなって感じます。
これには周囲の声も大いに関係あるのですが、冒頭に登場した彼氏のように、自分も「そのままのあなたで素敵」、と周りに伝えていきたいです。
(エイジングケアは次回に続きます)
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。