某月某日、チャールズの家に、２時間以内に、「寿司の出前」をすることになった、ところまでは先のノルマンディ日記「ついにユバーイーツになってしまった父ちゃん。ひゃあ！」で書いたとおり・・・。日本では、ウーバーイーツと発音するんですね・・・。
どうしても子供たちが寿司を食べたいというの、と、月曜日で寿司屋が全部閉まっていたので、なぜか、話の流れで、ぼくが作ることになったのであーる。（チャールズはフレンチシェフなので、寿司は作ることが出来ない！！！）
しかも、翌朝、彼らはパリ経由（途中仕事あり）で、スイスまで十数時間かけて、車で移動しないとならず、子供たちには18時にはご飯を食べさせないとならないというのである。（普通なら、知らんがな、で済む話なのだが、大の仲良しなのだから、ほっとけない）
で、奥さんのミハーとのやり取りが終わり、電話を切った時、すでに16時過ぎだった。
ということで、巻き寿司を5人前作らないとならないというミッションが突然やってきたのであーる。
次から次に、父ちゃんの人生って、いつも何かに振り回されておるよねー。どういう星の元に生まれたんじゃろ。

ともかく、16時10分、寿司なら米だ、と思った父ちゃんであった。
棚を探したら2合のこしひかりがあったので、2合の米をとりあえず（炊飯器がないので）鍋で炊きはじめることに・・・。浸水に最低で10分必要かな。
浸水＆炊きながら、同時進行で、ノルマンディ日記「ついにユバーイーツになってしまった父ちゃん。ひゃあ！」を書きあげて（書くのがぼくの日課なので、決まった時間に日記を書かないと生活のリズムが狂っちゃうのだ）、で、書いた日記をパリの長谷っちに、送ったぁ～。
この間に、20分強を費やし、その間にご飯が炊けたのだけど、２合で5人は足りない、ということに気づいた父ちゃん！
出来れば、さらに、もう2合炊いた方がいいだろうと思って、いろいろと足りないものを探したら、常備されているはずの寿司酢と海苔も全部、切れている～。やべー。

もたもたしたので、アパルトマンを飛び出したのが、16時40分、であった。
車を飛ばしてスーパーに飛び込み、たまたまフランスの田舎にあった日本米、ＡＫＡＦＵＪＩ（赤富士）と仏製の海苔と米酢をゲット～！
そのままダッシュで漁港脇の魚屋に行き、若いお兄ちゃんを捕まえて、状態のいいマグロとサーモンと海老を買ったのであーる。
家に戻ったのが17時10分、制限時間、一時間切っている～。
どちらにしても、再び米を浸水させ、再び鍋で炊き、はじめちょろちょろなかぱっぱ、その間に、太巻き用の卵焼きを作り、胡瓜をカットし、海老の皮を剝いて処理し、マグロは筋があったので丁寧に除去し、時々、ご飯の状態をチェックしながら、サーモンは皮をとって巻き寿司サイズにカットした父ちゃんなのであったぁ。ふー。
すべての食材の準備が出来て、炊きあがったお米を米酢と砂糖で酢飯を作って、時計を見たら、おおおお、あと30分で18時になってしまうのじゃねーか。やべー。

※　この写真！　撮影している自分に呆れながら、忙しいふりに、酔っている、熱血父ちゃんなのであーる。あはは。右のアボカドが、いい味だしている一枚！

三四郎が足元で、ふんふん、騒ぎだしたが、相手をしている暇はない。すまねー、サンシー、父ちゃんにはミッションがあるのじゃあ～。
昔、日本の料理番組で、時間切れになると、料理をやめないとならない番組があったよね？　それを思い出しながら、時計とにらめっこをした。
18時ちょうどに、11本の寿司が出来上がったところで、残念、タイムアウト～！

あと数本作る予定だったが、結局、米3合分の寿司で、時間切れとなってしまった。
寿司をカットして、タッパーに詰める時間もないので、大きなお皿に積んでそのまま持っていくことにしたのであーる。ふー。
三四郎のドッグフードを小箱に詰めて、家を飛び出し、アクセルを踏んで、隣町のチャールズの家にたどり着いたのが、ああああ、なんと、18時２４分であった。
ミハーがぼくを出迎えてくれた。
「はい、寿司～」
「ひとなり～、ごめんねー」
「でも、間に合わなかった」

※　大好きなチャールズのわきの下から、顔出す、我らがさんしろー。

それでも、テーブルの中央に並ぶ、カットされた巻き寿司を見て、ほっとした父ちゃんなのであった。
子供たちが下りて来て、三四郎と遊びだした。
チャールズから電話が入り、店を抜け出し、一瞬、巻き寿司を食べに戻って来ることになった。実はシェフのチャールズは自分の店の準備があっていないのであった。（超人気店！）
その時、19時。チャールズのレストランは20時から予約で満席なのである。
19時45分、テーブルの上の寿司はきれいさっぱりと消え去っていた。
「美味しい。美味しい」
と大好評なのだった。
ぼくの巻き寿司を完食したチャールズはぼくをぎゅっと抱きしめ、再び自分の店へと戻って行った。
朝、彼が運転をして、パリに向かい、打ち合わせをしてから、スイスへと向かうのである。
子供たちは、21時には寝ないとならなかった。
チャールズと別れ、子供たちを寝かせ、ミハーとビズをして、ぼくと三四郎は20時30分に、お皿を1枚抱えて、チャールズの家を出たのである。
三四郎を少し歩かせてから、自分のアパルトマンに到着したのは21時であった。
この５時間、まさにジェットコースターに乗っているような目まぐるしさ・・・。
そして、今、その顛末記を書いているという次第である。あはは。
あの、ぼくってなーに？
でも、それで友だちの家族が明日からのバカンスを楽しめるのだから、なんとも、嬉しいじゃないの～。
ムッシュの巻き寿司は世界一だよ、と子供たちが最後に耳元で囁いてくれたのが、嬉しかった～。
ぼくは犬猫と子供たちには愛されるオヤジなのであーる。

※　お好き、綺麗～。

※　このギターはぼくが子供たちにプレゼントしたギターなのだけど、実は、ここに遊びに来た時に、ぼくが歌うためのギターなのであーる。

※　子供たちがぼくのために作ってくれたパンケーキ！！！

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
いやあ～、怒涛の時間でしたね。あの大好きな4人が幸せにスキーバカンスを楽しんでくれるなら、ぼくは嬉しいのです。フランスの子供たちにとって「スキーバカンス」はとっても大事なのだから・・・。

あと、ＮＨＫ・ＢＳの「パリごはん」の新作は2月17日に放映されます。
新作「辻仁成のパリごはん　2022年秋冬」(59分) 放送時間のお知らせです。
2023/2/17（金）後10:00～10:59【ＢＳプレミアム・４Ｋ同時】
2023/2/21（火）後5:00～5:59【ＢＳ４K】※再放送

父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。この中のYoutubeをクリックすると、どこかの会員になってなくてもきけますよ。裏技です。あはは。
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https://linkco.re/2beHy0ru

５月２９日のオランピア劇場でのライブ、直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。FNAC（フナック）でも買えます。
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https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/