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パリ最新情報「パティスリーの世界大会、日本チームが優勝。3度目の快挙達成!」 Posted on 2023/01/24 Design Stories  

 
フランスのリヨン近郊では、1月20日、21日の2日間にわたり「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」が開かれていた。
これは、世界のパティシエたちが国別で団体戦を行う洋菓子の大会で、リヨン近郊で2年に1度開かれる国際外食産業見本市に合わせて行われる。
いわばパティスリー界のワールドカップのようなもので、フランスでは1989年から開催されていた。

そんな栄えある大会でこの度、日本代表が見事優勝を果たした。
日本の快挙は1991年、2007年に続く3度目となる。なお2位は僅差でフランス、3位にイタリア、4位英国、5位韓国という結果だった。
 

パリ最新情報「パティスリーの世界大会、日本チームが優勝。3度目の快挙達成!」



 
今大会には世界各地での予選を勝ち抜いた、17カ国・地域が出場した。
また2023年はテーマが「気候変動」に設定された。
そのため原材料は環境に配慮したものを使用すること、着色料や添加物を一切使わないことが求められた。
さらに参加者たちは42種類の試食用デザートと、チョコレート菓子、氷菓などを含む菓子彫刻を10時間以内に作らなければならなかったという。

審査員は世界各国から20名が参加し、その中には巨匠ピエール・エルメ氏の姿もあった。
作品のレベルは回を重ねるごとに上がっているというが、日本勢の「風と軽妙さ」をテーマにしたデザートが特に審査員の心を捉えた、と仏メディアは述べている。
 

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パリ最新情報「パティスリーの世界大会、日本チームが優勝。3度目の快挙達成!」

 
大会の会長でもあるピエール・エルメ氏は、日本チームの優勝は「細部へのこだわり、忍耐力、献身的な姿勢」によるものだと称えた。
また日本人シェフは昨年に開催された「パテ・アン・クルート大会」でもフランス勢を抑え優勝している。
こうして日本の快挙が続いていることから、「今回の優勝には驚かない。ブラボー、日本!」といったフランス人の声がSNSなどに寄せられている。(中にはフランスはまた2位だった…と、サッカーW杯と重ねて落胆する声もあった。)

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーの過去の受賞者(チーム代表者)には、ベルギーのピエール・マルコリーニ氏や、フランスのクリストフ・ミシャラク氏らが名を連ねている。
現在では両氏とも「パリの大人気パティシエ」として一等地に店を構えていることから、この大会がどれほど名誉あるものかが分かる。
 



パリ最新情報「パティスリーの世界大会、日本チームが優勝。3度目の快挙達成!」

 
実際にパリではたくさんの日本人パティシエが活躍しており、その評価は極めて高い。
またフランス人が経営するビストロでも、日本の味がどんどん浸透してきている。
例えばメインの魚料理にmiso(味噌)やdashi(出汁)が添えられたり、tataki(牛肉のたたき)、kombu-jime(昆布締め)といったメニューを載せるビストロが増えてきている。
yuzu(柚子)やmatcha(抹茶)などはすっかりフランス人のお気に入りフレーバーとなった。

今ではこうしたトレンドがパリ中心部だけでなく、パリ郊外や地方都市にも広がっていて驚かされる。
日本料理とは謳っていない伝統的フレンチ・ビストロが日本の味を進んで採用しているためだ。
以前は日本料理と言えば寿司やラーメンのみであったが、近年の日本人の活躍により、その精巧度や再現度がますます高くなっている。(内)
 

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