某月某日、エッセイを百本くらい読んだ。
当初、５０作品くらいかな、と思っていたのだけれど、昨日が締め切りだったこともあり、駆け込みでその倍くらいが届き、昨日から今日にかけて、残り５０本ほどのエッセイを読み切ることになった。
「日々のごはん」が課題だったせいもあるけれど、皆さんの日頃の食に対する考えや、想い、生き方などが文面から滲みだしており、いやぁ、実に楽しく読むことが出来たし、ここのところ、レベルが高く、講師としては鼻が高い高いなのであーる。
前回、一人の方（岸さん）が書いたエッセイをJapanStoriesで採用させて頂いたが、こちらも反響があった。その方は書くことに力のある方で、その直後、新しい記事も届いた。
陶磁器の破損部分を漆によって接着し金とか金属粉で装飾して仕上げる「金継ぎ」と呼ばれる修復技法についての記事である。
スタッフさんが「面白いですね、こういう記事、仏人に受けますよ」と関心を寄せていたので、父ちゃん講師も嬉しかった。
もう一人、課題で細かく直させて頂いた方がいらして、実はその後、ご本人が、一から完全に書き直しをされ、事務局に送られてきたのだ、原稿を。
それが素晴らしい出来栄えの文章になっていたので、（実は、ぼくが忙しくて、まだ編集部に伝えてないのだけれど、その方も出来ることなら、JSで掲載させて貰えたら、どうかな、と。もしかすると編集さんから相談が行くかもしれませんので）、とまれ、一年以上続いたこの「気まぐれ文章教室」なのだが、成果というか、皆さんの文章に向かう真面目さがここのところ強く出ており、講師冥利に尽きる今日この頃なのである。
なので、今回も、じっくりとエッセイを読ませて頂いている次第であった。ところが、・・・。

ところが、うちの弟子入りしたばかりの長谷っちまで、そういう波に巻き込まれ、奮起というか、刺激＆影響を受けたようで、昨日から今日にかけて、「自分は弟子なのですから、先生、ちゃんと読んでください」と、もの凄いプッシュが押し寄せてきたのであーる。
「え、もちろん、お弟子さんなんですから、三四郎も世話になっているし、あのね、読みますよ～。長谷っち、当たり前じゃないですか」と言ったのだけど、昼寝をしていたら、ぴんぽーん！！！　
ハ、誰かいな、と寝ぼけ眼でドアをあけると、印字した長編小説の原稿を抱えて、あの男が、あの男が、やってきたから、さぁ、大変～。
「先生、来ちゃいました」
ドアをあけると、むさくるしい５０過ぎの長谷川さんが佇んでいる。
腕には原稿用紙の入ったと思われる大きな封筒を抱えて～。

「あんたね、来ちゃったって。女子に言われたら嬉しいけど、そんなむくつけきおっさんに言われて喜ぶ、おっさんがおるかい～？」
ふと見ると、玄関ホールに長谷川の嫁、コリンヌさんまで、・・・、ぼくと目が合うなり、しおらしくお辞儀をされたのであーる。
ひゃああああ、この夫婦、怖っ。
思わず、お辞儀をし返した父ちゃん、ぎっくり腰になりかけたぁ。あはは、やれやれ、である。
さすがに、今日は日曜日なので、ひきとってもらったけれど、読まないわけにはいくまい。
封筒を開けると、表紙に、タイトルと名前が付されており、その横に原稿用紙換算枚数４５０枚、とあった。
よ、４５０枚って、お主、本気だな。直木賞でも狙うのに違いない。
大変だぁ。
もう一人、ＤＳのライターさんの小説も現在、指導中なので、そっちも長編小説だから、大変×２。
しかも、それだけじゃない、ぼくは三田文学で連載中の「動かぬ時の扉」が遅々として進まないのである。
締め切りは２月１６日だというのに、まだ、数行しか書けておらんのじゃ。
小説書かなきゃ、と思うと、ギターを弾いている父ちゃん。小説書かなきゃと思うと、ごはん作ったり、三四郎と遊んでいる父ちゃんなのであった。あはは。あかんちんだね。

しかし、皆さんがこんなに書きたいのだ、と思うと、日本の文学の未来も明るいのかな、と思う、今日この頃・・・、講師としては力がこもる。
毎回、文章教室も大勢の人が受講されて、その中から、岸さんのようにいい書き手とも出会えて嬉しい。こちらも頑張らないとならない。皆さんも、どんどん、書いてくださいませ。

つづく。

ということで、今日も読んでくれてありがとうございまする。
っていうか、「ＥＳＳＥ」でも新連載がはじまるのです。いーえすえすいーえっせ、の、あのＥＳＳＥであります。カッコイイ編集長と賢そうな素敵な編集者さんとＺＯＯＭ会議もやったのですが、こちらは「番外、三四郎日記」編をやってほしい、と言われており、三四郎と相談をして、共作する予定なのでありま～す。ふふふ、・・・ってか、その締め切りも、そろそろなので、ううう、頑張らないとなりません。
熱血～、いーえすえすいーえっせ～。
はい、ということで、ええと、文章教室ですが、２９日にやりますので、ご興味ある皆さん、ぜひ、覗いてみてください。エッセイの書き方、ブログなどへ投稿する文章の推敲や仕上げ方など、もろもろ、熱血で語らせて頂きます。下の地球カレッジのバナーをクリックください。

そして、ゲストにあのDeepForestの出演が決定したぁ！！！！父ちゃんのオランピア劇場ライブですが、等身大のポスターが出来たようです。まもなく、オランピア劇場の入口に貼られるはずだ、という情報・・・、まだ、貼られておりませんが、まもなく、貼られはずだとベルトランが嬉しそうに語っておりました。ふふふ。
こちらのチケットは、フランス全土のＦＮＡＣのサイト、売り場でゲットできます。フランス以外からの参加をご希望されている日本の皆さんで、お手伝いが必要な皆さまには、ＪＡＬパック・パリ～がついておりますので、こちらのサイトからご参加ください。ランチ＆トーク会なるものを彼らが企画しております！　パリの想い出に、どうぞ。
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5月30日 辻仁成 オランピア公演記念 『感謝！Merci！』 トーク&ランチ会　《追加設定》

そして、NHKの「パリごはん」来月、新作（秋冬編）が登場します。
2023/2/17（金）後10:00～10:59【ＢＳプレミアム・４Ｋ同時】です。４か月半に及ぶ、父ちゃんのアフター子育ての自撮り記録です。引っ越しあり、三四郎との旅もあり、てんこもりですぞ。もはや、自撮りで、生きていけるわい。
「辻仁成のパリごはん　2022年秋冬」(59分)
そして、再放送もあります。
2023/2/21（火）後5:00～5:59【ＢＳ４K】※再放送
2023/2/21（火）後11:00～11:59【ＢＳプレミアム】※再放送
熱血～。