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パリ最新情報「フランス、水道代を1月より大幅値上げ。インフレ・干ばつの影響で」 Posted on 2023/01/05 Design Stories  

 
2023年1月1日より、フランスでは電気、ガスに続き、水道料金も大幅に値上げされることになった。
なお電気・ガス料金も同1月に15%値上げされており、あらゆる物の価格が上昇しているフランスにおいてはさらなる打撃となる。

水道料金値上げの主な理由としては、やはり2022年初頭から続くインフレの影響だ。
浄水処理に使用する塩素や活性炭などが10〜30%値上がりしたこと、そして電気料金の高騰問題が理由のメインとなっている(浄水処理に必要な機械やポンプに大量の電力を消費するため)。
それだけではない。昨年夏の猛暑・干ばつも値上げの大きな理由だ。
2022年下半期、長期間に及んだ渇水は、配水コストの上昇ならびに供給力の低下を促してしまった。
 



 
値上げ率は自治体によってばらつきがあるものの、昨年末には水道組合や自治体の議会で、地域によって最大15%〜20%の値上げが決議された。
最も高い増加率を記録するのはブルターニュ地方、ノルマンディー地方、そしてピカルディ地方やオー・ド・フランス地方(仏北部)の一部の自治体である。
首都パリは他地域に比べ増加率が低いが、それでも7.56%の値上げとなり、1立方メートルあたりの水道価格は税込みで3.84ユーロ(加入料別、約537円。およそお風呂5杯分)に上昇する。
 

パリ最新情報「フランス、水道代を1月より大幅値上げ。インフレ・干ばつの影響で」

※増加率の高い仏北部のシャルルヴィル=メジエール市では、水道料金が1立方メートルあたり、昨年の4.26ユーロから4.80ユーロに上がり、4人家族では年間平均約65ユーロ(約9100円)の値上げとなる。

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個人が大きな影響を受けるのであれば、公共施設や企業では水道料金が爆発的に上がる可能性がある。
フランスで最も水を消費している業種としては、農業と発電所の冷却が挙げられる。
一番はやはり農業であり、全体使用量の45%を占め、発電所の冷却(31%)を上回っているとのことだ。
また家庭用水においては全体使用量の21%を占めている。

フランスの人々は以前から節水に意欲的だが、今後の請求額を抑えるために何ができるのか?と一部の自治体では節水対策を講じている。
例えば、こちらではお風呂よりもシャワーを浴びることが強く推奨されている。
お風呂で使う水の量は150〜200リットルだが、4分間のシャワーでは60リットルにしかならないためかなりの節水が期待できるという。
ただこれは湯船にためたお湯を家族で使い回ししないというフランスの習慣に基づくものである。

また歯を磨く際や手を洗う際は、水道水を流しっぱなしにしないことも推奨されている。
これにより、1ヶ月で最大40リットルの節水が可能になる。さらに洗濯機など家電製品にエコモードが設置されている場合は、これを積極的に活用してほしい、ということだ。
 



パリ最新情報「フランス、水道代を1月より大幅値上げ。インフレ・干ばつの影響で」

 
続くインフレが、特にエネルギー、食品、特定のサービスにおいて、フランス国民に大きな打撃を与えている。
電気料金などはインフレ以前から緩やかに値上がりしていたとはいえ、2024年にはそれが今の4倍になるとも噂されている。
インフレは今年からが本番だ、と言われてきたが、フランスでは1月1日よりこうして国民を追い詰める結果となり、エネルギー危機問題への非難が強まっている。(オ)
 

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