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欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」 Posted on 2023/01/03 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、いろいろと調べたところ、三四郎がフランスから出る場合、パスポートが必要だということが分かったのだった。←今頃か。
もちろん、三四郎は引き取った時に、獣医さんのところでフランスのパスポートを取得していた。
それでいいと思っていたのだけれど、念には念を入れて各方面に問い合わせてみたところ、このパスポートに獣医んさんのサインなり、スタンプが必要であることが分かった。
知らなかった。当然である。三四郎にとって今回が初海外旅行になるのだから。
ということで、餌も買わないとならなかったので、獣医さんのところに行き、タンポン(スタンプ)してもらったのだった。
それに、これまでパスポートに写真を貼ってなかったことを思い出し、いわゆる証明写真なるものの撮影をやった。
フランスの犬のパスポートをご覧頂きたい。これじゃ。

欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」

欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」



証明写真らしく、真面目な三四郎ではあーりませんか。
それから、もしも、三四郎が迷子になったり、盗まれた場合、彼を追跡できるよう、首輪の下にこっそりと電子エアタグをつけておいた。
これは実は、トランクに放り込んでおくと、ロストバゲージになった時に世界のどこにいま自分のトランクがあるのかわかるという優れもの。
こういう専用ケースが売っていて、はめ込んで首輪にかます。
犬の追跡に便利なのである。
うちの近所の犬公園に集まるお犬様たちは皆、これを首輪にはめ込まれておられる。
長旅になるので、一応、三四郎の旅関連グッズだけはもしもの場合を想定して、慎重に準備した父ちゃんであった。
いったい何日の旅になるか、どこへ行くのか、出発直前であるが、決まってない有り様なので、そのための餌とか、寝具とか、ぬいぐるみとか、お薬とか、いろいろと集める必要があった。
三四郎が車の中で退屈しないように、後部シートは全部、濡れても汚れてもいいシートで覆い、三四郎の移動遊園地とした。基本は助手席に座らせるけど、そこは退屈なのだ。
犬の天敵は「退屈」なのだそうで、5時間は越えないよう、休み休み、運転したい。
あと、獣医さんにもいろいろと相談をし、こういう時はこうしてね、というアドバイスを貰ったので、ふふふ、いわゆる、万全態勢なのであーる。

欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」



まずは、いきなり海外は怖いので、様子を見つつ、フランス国内を移動する予定。
2、3日、数百キロ走っては、犬が宿泊可能なホテルまたはAirbnbなどを探さないとならない。だいたい、グランドホテルはどこも犬の宿泊がOKのようであった。
犬公園で知り合った犬仲間さんからも、情報を収集した。この国は犬に優しい、とか、この国は犬が旅しづらいとか、ここのホテルがいいわよ、とか・・・。
ちなみに犬は15€くらいホテルから宿泊費を要求されることがある。
多分だけど、専用ベッドとか用意してくれるのじゃないか、と想像している。
ということで、三四郎ははじめて、フランスを出ることになりそうだ。
今のところ、ストラスブールを目指して、スイスに入り、そのままイタリアへ南下し、ボロネーゼを二人で食べて戻って来るコースを第一候補に、ベネチア出身のアドリアンに相談中。
第二候補はフランスを南下し、モンペリエから、ピレネー山脈を迂回し、地中海に出て、そこから友人が住むバレンシア、バルセロナを目指す、というコースも考えているが、このコースの問題は旅の行程が数千キロに及ぶ可能性があることか。
第三のコースは、バスク地方を回ってから、スペイン、ポルトガルに入るコース、欧州最西端の岬に三四郎を立たせてやりたい。
どちらにしても、どのコースも美味いものだらけの旅になること請け合いなので、旅美食日記を書くのが楽しみでならない。
三四郎にとって、スイス、イタリア、スペイン、ポルトガルは異世界である。フランスの片田舎で生まれた子犬だけれど、彼にとっては初めての旅行になる。
いったい、何が父ちゃんとさんちゃんを待ち受けているのだろうか・・・、えへへ、乞うご期待! 愛車を走れ!!!!

欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」



欧州放浪日記「三四郎、パスポートに許可印がないと出国できないことが判明」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
今、出発しようとしていたら、ロブソンが打ち合わせに来ることになり、軽く、ランチミーティングでもしてから、出発をすることになりそう。もっとも、宿もおさえてないような気楽旅なので、もしも、お酒を飲んだら、寝て翌朝出発になるかもしれません。実は、もう一本、プロモーションビデオを撮影することになったのです。パリで。オランピア講演に向け、がんがん、攻めていこうということになっています。ロブソンが今度は監督をやります。彼、実は映像も手掛けているんですよー。誰かに似て、多彩ですね。料理もするんですって。あはは。
さて、まずは、そんなサンシーからのお知らせです。
「辻仁成のパリごはん 2022年秋冬」(59分)
2023/2/17(金)後10:00~10:59【BSプレミアム・4K同時】
2023/2/21(火)後5:00~5:59【BS4K】※再放送
2023/2/21(火)後11:00~11:59【BSプレミアム】※再放送
それから、地球カレッジからのお知らせです。
今月の文章教室は1月29日になります。この前には戻り、きちんと準備をしますから、ご安心を。皆さんから届いたエッセイは旅先で楽しく読んでいきますね・・・。

「エッセイの書き方教室、第1回」
今回の地球カレッジ「文章教室」は、どうやってエッセイを構想し、実際に書き、また、推敲をしていくのか、についての講座となります。課題応募されたエッセイの中から選ばれた数本のエッセイを、辻仁成が細かく指導、推敲、研磨していきます。
「エッセイ依頼内容」
今年最初の課題は、また一から、食にまつわるエッセイとなります。
「お子さんやパートナー、家族、同居人に日々作る、作ってもらっている、頂いている、ごはん。外食も含め」について、その人生の深部、喜怒哀楽を書いてください。題して、「日々のごはん」です。字数は1000字前後、1500字以内、とします。締め切りは1月22日とさせていただきます。
詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。

地球カレッジ

それから、2023年5月29日にパリのミュージックホール、オランピア劇場で単独ライブやります。VIP席は売り切れました。ありがとうございます。現在、JALパックパリさんがスペシャルチケットを検討中です。こちらも数に限りがあります。すいません。
パリ・オランピア劇場公演のチケット、直接、予約する場合はこちらから。

https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、

5月30日 辻仁成 オランピア公演記念 『感謝!Merci!』 トーク&ランチ会 《追加設定》



父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」はこちらです。無料でも聞けます。ってか、ほとんど無料に近いですので、思う存分楽しんでください。音楽が危機的な状況ですけど、ミュージシャンたちは頑張っています。


https://linkco.re/2beHy0ru



自分流×帝京大学