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滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」 Posted on 2023/01/01 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、またまた、やってきた、謹賀新年、なのであーる。
(フランスと日本の時差は8時間なので、これを書いている今、欧州はまだ去年にあるのだ。すごい)
しかし、日本もなんとか、様々な問題を抱えつつも、2023年に、たどり着くことが出来たのであった。おめでとうございます。
いったい、2023年がどんな一年になるのか、全く予測がつかないわけだが、人類にとっては相当に大変な一年になることは間違いなさそうだ。でも、どんな時代であろうとも、前向きに生きて行こうではないか。
ところで、ロンリー父ちゃんだが、大晦日を割と楽しく生きている。
三四郎と二人ではあるけれど、夜の21時過ぎから、前のカルチエ(街)のご近所さんら(いつものメンバーとは違って、モロッコ系、アフリカ系の仲間たち)が料理を持ち寄って、カウントダウンをやるというのである。
モロッコ人のユセフから、呼び出し、が飛び込んだ。

滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」



「ツジー、ちょっと来いよー。みんなで食べ物持ち寄って、カウントダウンするんだよ」
彼らのお子さんや家族も集まるというのである。賑やかなパーティになりそうだ。
ということで、とりあえず、こういう時に簡単に出品できる、サーモンのパイ包みを持って、ちらっと顔を出すことにした。何も予定がないし、誘われたら嬉しいじゃないの。
渡仏20年なので、人種、国籍を超えて、様々な仲間がいる。
ピエールやマーシャルはフランス系、ユセフやリコはモロッコ、アラブ系、ブリュノやジョゼがアフリカ系、しんうえん、しんこー、めいらいが香港系、他にも、ベトナム系、東欧系、北欧系、中東系、etc、パリはこうやって考えると人種の坩堝なのであった。
で、今日のサーモンのパイ包みは、ヒラメ系にしてみた。特に意味はないけれど、フランスでは高級魚だからである。

滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」

滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」



ヒラメの目の位置がこれでよかったかどうか、わからず、悩んだ父ちゃんだったが、ま、可愛い出来栄えではないか!!! ※このレシピは、「父ちゃん」、「サーモンパイ包み」、で検索すれば、出てくるはず・・・。
ところで、息子は今日、アレクサンドル君の家で彼の仲間たちとカウントダウンをやる。朝からウイリアムと二人で息子のアパルトマンで餃子を作る、と連絡があった。なんと、皮から全部手作りなのだ、とか、やるの~。(写真、頂戴、とお願いしておきました)
毎年、カウントダウンをする大晦日は別々で生きる辻家なのだったが、ま、これは、仕方がない。クリスマスは家族と、大晦日のカウントダウンは友人と過ごすのがフランス式だからである。
サーモンのパイ包みの中にトリュフを仕込んだので、香りが凄い。三四郎が、匂いに引き寄せられて、足元から離れなーい。
ということで、それなりに、楽しい大晦日になりそうで、よかった。自分を納得させている父ちゃんであった。

滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」



さて、出来上がりは、こちら! 
じゃじゃじゃーん。
おお、2022年、最後の料理が「ヒラメ型、サーモンのパイ包み」となった。
正直、歌手は風邪がひけないので、マスクをして、このパイ包みを届けにいき、軽くご挨拶をしたら、ぼくは新年になる前にそこを離れることに・・・。
なんで?
ええと、
2023年の瞬間は、花火もあがるし、パリ市内でNHKの「パリごはん」の撮影をしないとならないので、・・・。ありゃ、やっぱり、仕事かよ。てへへ。
今年も、皆さん、よろしくお願いいたします。

滞仏日記「謹賀新年、父ちゃんはおせちじゃなく、ヒラメ型パイ包みを作ったの巻」

※ どうじゃああ、笑、美味そうだ!



つづく。

今日も読んでくれてありがとう。(すでに、あちこちで花火が、やばい感じになっています。花火というか、若者たちが爆竹を投げまくっているのですね)
2022年から2023年へのバトンタッチ。おせちは作るのを断念した父ちゃんでしたが、思わず、こんなものが出来てしまい、なんとなく、みんなの幸福を分けてもらって、楽しいひと時が過ごせそうです。正月のパリの雰囲気を、明日にでもお伝えしますね。ユーロが導入された年にアパートを探しに渡仏、翌年からここに居ついた父ちゃん、息子は大学生に、なんだかんだ、長いことパリで生きてしまいましたが、この「ゆく年くる年」光景も馴染んできました。
さて、さて、次の地球カレッジは、1月29日です。参加を希望される皆さん、以下をご参照ください。
「エッセイの書き方教室、第1回」
今回の地球カレッジ「文章教室」は、どうやってエッセイを構想し、実際に書き、また、推敲をしていくのか、についての講座となります。課題応募されたエッセイの中から選ばれた数本のエッセイを、辻仁成が細かく指導、推敲、研磨していきます。
「エッセイ依頼内容」
今年最初の課題は、また一から、食にまつわるエッセイとなります。
「お子さんやパートナー、家族、同居人に日々作る、作ってもらっている、頂いている、ごはん。外食も含め」について、その人生の深部、喜怒哀楽を書いてください。題して、「日々のごはん」です。字数は1000字前後、1500字以内、とします。締め切りは1月22日とさせていただきます。
詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックくださいませ。

父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」家族に囲まれ幸せなあなたにも、独りぼっちのあなたにも、赤い首輪のさんちゃんにも、ジャパニーズソウルマン、がんがん響くこと請け合いです。


https://linkco.re/2beHy0ru

それから、2023年5月29日にパリのミュージックホール、オランピア劇場で単独ライブやります。
パリ・オランピア劇場公演のチケット発売中でーす。
直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。

https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、

https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/

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