某月某日、息子とボンマルシェ・デパートに行った。
一応、一つ目のギフトとして、コーヒーマシーンは買ってあったのだけど、笑、もちろん、喜んでくれるに違いないのだけれど、何か、こう、２０２２年を記念する、かっこいいものを買ってあげたいな、と思って、出て来いよ、とSMS送ったら、来た。あはは。
待ち合わせたのは、お洒落なイタリアンレストランである。こういうところで待ち合わせが出来る年齢になった、ということだ。
ここ、イタリア人のご夫妻がやっていて、なかなか、美味しいのだ。
ぼくはここのパッパルデッレが好き。きしめんをもっと太くしたような生麺であーる。
今日は、サルシッチャのパッパルデッレであった。うみゃあ～。
息子はラビオリを頼んでいたが、あっという間に完食したので、喰うか？　と言ってみたら、珍しく、うん、というので半分をわけ与えた。
「美味しい？」
「うん」
そもそも、父ちゃんにはちょっと多いのだ。
それに、息子が美味しそうに食べているのを見るのが、大好きなのである。息子に限らず、ぼくが料理したものを美味しそうに食べてくれる人たちが好き。（前回のダンチュウイベントの時の皆さんみたいに、ガツガツ！！！！　笑）
もっとも、子供がご飯食べる姿というのは、実に、親心をくすぐる。嬉しいじゃないのォ。もっと喰え、と心の中では思う父ちゃんなのであったぁ。
食後、地下にある、メンズコーナーまで降り、
「ほしいもの何でも買ってやるぞ」
とえらそうに豪語した父ちゃんなのである。
「あまり高いのはダメだけど、なんでも買ってやるからな」
って、それ、何でもじゃないやん・・・あはは。
そもそも、十斗は高いものを欲しがらないので、わかっていて言ってる、実に、ずる賢い父なのであった。

ボンマルシェのメンズコーナー、充実しているのだけれど、しかし、どれも高額なものばかりなのであーる。
え？　これで1000€？　あかん。
え？　こっちは2000€？　もっとあかん。
・・・無理、だんだん、青ざめてきた父ちゃんであった。
「この辺の服はじじくさいな。イタリアのこういうブランドは若さが足りんな。もっと、若い新興のブランドがいいかもね」
とか、息子に聞こえるよう、大声の独り言、かたってる父ちゃんであった。
でも、まぁ、ブランドはどこも高いね。
最近、日本人デザイナーのKITSUNEがフランスの若者に人気で、ちょっとだけ、安く買えるので、息子をそこに誘導する父ちゃんであった。
「お、キツネがある。すごいじゃん。若者に人気なんだぞ」
誘導に成功をしたが、
「前にもここの買ってもらったから、違うのがいいかな」
とさりげなく肩透かし、くらった。ずるっ。
おっと、目の前にKENZOがあった。
亡き大先輩の高田賢三さんを思い出した。20年前、本当に、よくしてもらったし、よくご馳走してくださった。繊細だけれど、優しさの塊の巨人だったなぁ、と思っていたら、
「パパ、KENZOでもいい？」
と息子が言い出した。
セーターを取り出し、胸にあてている。女店員さんも笑顔だ。似合いますね。
「ああ、いいよ。すごく似合う、いいよ、それにしよう」
賢三さんと繋がった、と思った。
いいプレゼントが見つかった。デザイナーは若い日本人の子がやっているんですよ、と女店員さんが教えてくれた。そうなんだね・・・。

家に戻り、ぼくが仕事をしていると、息子が仕事部屋に三四郎とやって来た。
KENZOのセーターを着ていた。
「おおおおおお、似合うね。いいね」
「ありがとう。とっても気に入ってるよ」
ぼくはもう一つのギフト、コーヒーマシーン、を引っ張り出し、差し出した。
「なに？」
「欲しがっていたもの、買っといた。これは君の仲間たちと使ってよ」
カッコイイ、コーヒーマシーンであった。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ボンマルシェを歩いていたら、見覚えのある背の高いムッシュが奥様と歩いていた。「あの、すいません、鹿島先生ですか」と声をかけたら、鹿島茂さんであった。あはは、狭い世界やのォ。ありゃあ、と笑顔になった４人。実は、良く、会うのだ。奥さまが「写真いいですか？」と言われたので「もちろんです」と言ったが、実は、酷い恰好だった。「マスク、とって」いやあ、顔洗ってないーっと思ったのだけど、仕方なく、ピースサインでおさまった父ちゃんでした。奥様、いつもありがとうございます。「息子さんですか？」「へー、大きいね」「大学生です」という、ほのぼのとした会話が・・・。
さて、次回、父ちゃんの気まぐれ文章教室、２０２３年第一回は、１月２９日に決定いたしました。課題は「日々のごはん」となります。文章好きな皆さん、ぜひ、ご参加ください。
あと、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」はあるゆるミュージックプラットホームから、聞くことが出来ます。無料でがんがん訊けるところもあるし、DLも出来ますし、ご自由に楽しんでくださいまし。
まさしく、パリで録音された最高のワールドワイド・フレンチなメンバーによる、ロック＆ソウルミュージックをお楽しみくだされ！
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それから、来年、２０２３年５月２９日にパリのミュージックホール、オランピア劇場で単独ライブやります。
パリ・オランピア劇場公演のチケット発売中でーす。
直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。
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フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、
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