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パリ最新情報「今年も可愛いケーキが勢揃い!パリのブッシュ・ド・ノエル特集2022」 Posted on 2022/12/17 Design Stories
クリスマスまであと一週間。
パリのパティスリーではブッシュ・ド・ノエル(クリスマスケーキ)がショーケースの主役として飾られるようになった。
ブッシュ・ド・ノエルとは、フランス語で「クリスマスの薪」を意味する。
その名の通り、木や薪を横に倒したような見た目が特徴のケーキだ。
もとはクリスマスに燃やした薪の灰が厄除けになる、“樫”の薪を暖炉で燃やすと無病息災になる、という北欧の古い言い伝えを元にしている。
ただ昨今では薪から離れて、一種の芸術作品に近づいているのも確かだ。
それでは2022年冬、パリのパティシエたちはどんな作品を生み出したのか?見ているだけでもほっこりする、可愛らしいケーキの数々をご紹介したい!
キツネがトレードマークの「ヤン・クブルー(Yann Couvreur)」は、キュートなフォルムと繊細な味で人気を博すパリのパティスリーだ。
パティシエのヤン・クブルー氏は小さい頃からキツネが大好きだったそうで、その賢く優雅な姿に魅力を感じてキツネをトレードマークとしたのだそう。
ということで今年のブッシュ・ド・ノエルのテーマは、「雪の中で丸くなるキツネさん」!
ココナッツムース、キャラメル、サクサクのプラリネが中に入っており、キツネさんの部分にはミルクチョコレートがトッピングされている。
ただこの可愛いケーキにナイフを入れるのは躊躇してしまいそう。
伝統的な味を、奇をてらうことなく現代風に再現するセバスチャン・ゴダール。
今回ご紹介する中では本来の「薪」のブッシュ・ド・ノエルに一番近い。
モンブラン風味とカフェ風味の用意があり、どちらにも絹のような生クリームがたっぷりと詰まっている。
なおチュルリー公園近くのサロン・ド・テでは店内用、お持ち帰り用として一切れから販売されている。
モンブランで有名なアンジェリーナは、ブッシュ・ド・ノエルもモンブラン仕様!
ベーシック、ピスタチオの「不朽の名作」的モンブランのほか、ハイビスカス&ライム風味の真っ赤なブッシュ・ド・ノエルも用意されている。
また2022年の特別バージョンとして「Ébène(黒檀)」が期間限定で登場した。
これは、アルプス地方における伝統的な暖炉シーンをイメージしたもの。
ブラックチョコレート、ガナッシュ、ミルクチョコレートなどがふんだんに使用されており、チョコレート好きにはたまらないブッシュ・ド・ノエルとなっている。
パティスリー界の重鎮、ピエール・エルメからは合計6つのブッシュ・ド・ノエルが発表された。
ピエール・エルメらしいモダンでシャープなデザインのブッシュ・ド・ノエル、今年は「絵画との出会い」をテーマにしている。
こちらは今のパリを構築した、オスマン男爵の功績を称えたケーキだという。
エッフェル塔など象徴的なモニュメントを描くことで、「パリの中心を散策するような気分を味わってほしい」とのことだ。
なお、写真中央はエルメのシグネチャー・スイーツ「イスパハン」のブッシュ・ド・ノエルとなっている。
今年で創立160周年を迎えたラデュレが提案するのは、あのマカロンをモチーフにした「ブッシュ・アンペリアル」だ。
マカロンといっても本物のマカロンをくっつけた訳ではなく、アーモンド風味の生地にフラー・ド・セル、ホワイトチョコレート、マンゴーのコンポートと柚子シロップで構成されたケーキとなっている。
これは160周年を記念したもので、ラデュレの代表作マカロンに敬意を表した特別ブッシュ・ド・ノエルだという。
その他にはローズとライチの「マリー・アントワネット」、ピスタチオ風味の「フェイバリット・ピスタッシュ」といったラインナップがある。
パティシエたちが一番腕をふるうというブッシュ・ド・ノエル、2022年はそのブランドを象徴するアイコニックな作品が集まった。
美しすぎて、一つに決めるのが難しい。(せ)