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パリ最新情報「フランスで暴動、勝利の歓喜に沸くも一部で悲劇が発生。W杯準決勝」 Posted on 2022/12/16 Design Stories
フランス時間14日夜に行われたW杯、準決勝のフランス対モロッコは、2-0でフランスが勝利した。
その直後にはパリのシャンゼリゼ通りに多くのサポーターが押し寄せ、パリ警察が発表した内容によると、一晩だけでシャンゼリゼ通りに約2万5千人が集まったという。
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先週の準々決勝ではモロッコが史上初の4強入りを果たしていた。
そのためシャンゼリゼ通りでは興奮した両国サポーターが衝突し、黄色いベスト運動に次ぐ逮捕者を出してしまう。
モロッコはかつてフランスの植民地だった。
現在もフランス国内に100万人以上のモロッコ人が暮らしているとされている。
ということで両国が勝ち上がるたびにサポーターたちは熱狂し、各地で大きな騒動を起こしてしまっていたのだ。
14日にはその両国が直接対決するということもあり、シャンゼリゼ通りには最高レベルの警備が敷かれた。
まずシャンゼリゼ通りを擁すパリ8区の区長は、14日夜のみ全面通行止めとすることを市に要請。
また5千人の警察官と憲兵隊がパリ市内に招集され、そのうち2200人の警官がシャンゼリゼ通りだけの為に配備された。(フランス全体では約1万人)
さらに、破壊行為を懸念した通りの店舗はショーウィンドーにバリケードを設置する。
ルイ・ヴィトン本店を初めとするハイブランドの店舗前には多くの警官が立ち、花火など危険物を持つサポーターを遠ざけた。
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その効果もあって、シャンゼリゼ通りは一時お祭り騒ぎとはなったものの、先週のように大きな衝突は回避することができた。
しかしながらバスティーユ広場、レピュブリック広場、その他パリ市内の公園などで危険行為が散見され、極右メンバーも含めた逮捕者は15日の正午までにフランス全土で266人に上った。
このようにパリでは多くの警官が導入されたため大事件は避けられたが、フランスの地方都市では死者を出す悲劇が起きてしまう。
フランス南部のモンペリエでは試合終了直後にサポーター同士が衝突、14歳の少年が急発進した車の下敷きになり轢死するという事件が起こった。
15日現在では加害者はまだ見つかっておらず、また被害者が未成年の少年だったこともあり、フランス国内ではこの事件に大きな関心が寄せられている。
現在、パリ警察は逮捕者からの事情聴取を行っており、危険行為を企てたグループのたまり場(地下室、屋根裏部屋など、武器や爆竹、危険物を隠しそうな場所)を割り当て、18日の決勝戦に向けて対策を急いでいるということだ。
17日にはモロッコ対クロアチアの3位決定戦もある。
そのためフランスではこの週末にさらなる騒動が予想されている。(る)