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「氷点下16度の国のクリスマス支度」 Posted on 2022/12/15 木枝 萌 学生 スウェーデン・ダーラナ地方

もうすぐクリスマスがやってくる。
スウェーデンでは、ハロウィーンのあたりから、スーパーに少しずつクリスマスのお菓子が並び始める。
スウェーデン人は約2ヶ月間、クリスマスを楽しみに日々生活をしているのだ。
何かを待ち遠しく楽しみにすることは、暮らしをさらに豊かなものにしてくれる気がする。

気温は、氷点下16度。
木々は寒さで凍り、真っ白になる。湖の水は凍り、スケートを楽しむ人たちもいる。景色は一面明るい白い色に覆われて、とても美しい。
顔が凍るような感覚になるほど外は寒いけれど、私はそれでも森や湖に散歩に出るのが好きだ。
寒い日は特に、不思議と自然のある場所へ足が向かう。
雪が降ると、辺りは静まり返り、心はとても落ち着く。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」

地球カレッジ

11月半ばになると、人々は少しずつ家の中にデコレーションを飾り始める。
窓に飾るお星様と三角形のキャンドルホルダー。この2つがスウェーデンの伝統的なクリスマス装飾といっていいだろう。

学校では、お昼ごはんや、Fika(コーヒー休憩)の時間、大切な人にどんなクリスマスプレゼントを渡したいか、誰とどこでお祝いするのか、そんな話題で盛り上がる。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」



私が住むレクサンドでは、11月の終わりにクリスマスマーケットがある。
暗いムードの街が一気にクリスマスムードになり、明るくなっていた。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」

「氷点下16度の国のクリスマス支度」

クリスマスマーケットへ出かけてみると、たくさんの人で賑わっていた。
目に映るものすべてが、愛と優しさで溢れていた。
小さい子どもをつれた親御さんたち、手作りのものを売っている地元の人たち、恋人と歩く人々、子どもたちと写真撮影をしているサンタさん。
そこにいるだけで心がほっこりする、そんな空気感があった。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」



寒い冬を乗り越えるためには、暮らしにいろいろな工夫も必要になる。
ダーラナ地方の12月初めの日照時間は、6時間ほど。学校に登校する時間も、帰宅する時間もどちらも真っ暗。
そうなると、なかなか外にでて活動するのは難しくなる。

では、スウェーデン人は、一体お家で何をして過ごすのだろう。
友達に聞いてみると、たくさんのアイデアがでてきた。

ケーキやクッキーなどのお菓子作り》《友達をお家に誘って映画を観る》《いつもより手の込んだお料理をする》《編み物をする》《パズルを始める》《お家の中を少しだけリフォームをする》などなど。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」



工夫すればするほど、寒くてどんよりとしている冬でも、生活はぐんと楽しくなる。
私は、スウェーデンに移住してから、人々がいかに日々の暮らしを大切にしているかを実感した。
家で過ごす時間が多いからこそ、居心地の良い空間にする努力を惜しまない。

クリスマスまであともう少し。
ゆったりとした時間が流れる休日、今日も私は温かいココアを飲みながら、静かに降る雪を窓から眺めている。

「氷点下16度の国のクリスマス支度」

自分流×帝京大学

Posted by 木枝 萌

木枝 萌

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神奈川県出身。2020年よりスウェーデンに移住。ダーラナ地方にある工芸学校で陶芸を学ぶ。