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パリ最新情報「パリでも積雪。フランスで雪と凍結の警報が発令中」 Posted on 2022/12/15 Design Stories
今、フランスは強い寒波に襲われている。
先日には北フランスのほぼ全域にあたる33県に雪と凍結の警報が発令され、パリ首都圏でも14日(水)の朝に向けて、テレワークの推奨と出張の制限が呼びかけられた。
そして予報通り、14日の明け方にはパリでー3℃を記録する。1〜3センチの積雪も見られ、多くの地域が今季一番の冷え込みとなった。
今年のフランスはいつにも増して寒い。
最近では日中の最高気温が0℃を超えない日もあり、強烈な熱波に襲われた今夏に比べれば、その気温差は40度以上にもなる。
しかしながらこの寒波はフランスだけでなく、他のヨーロッパ諸国でも観測されているということだ。
それではパリ首都圏で今回どのような寒さ対策が取られたのか、簡潔に要点をまとめた。
まずパリおよびパリ郊外では、12日未明から融雪剤(塩化カルシウム、日本でも撒かれるもの)が合計で600km以上の道路に散布された。
パリの街角には34台の散布車が登場し、バス専用レーン、自転車専用道路、各駅の入り口、高速道路などが優先対象となった。
また清掃業者も未明から作業を開始し、地下鉄駅の階段、セーヌ川の橋付近など滑りやすい場所、約2万カ所で除雪作業が行われた。
そのため午前9時過ぎにはパリ市内、特に公共の場でほとんどの雪が消滅し、一部で渋滞が見られたものの大きな事故は報告されなかった。
首都圏西部、イヴリーヌ県では14日の22時まで危険物を扱う大型トラック(3.5トン以上)の走行を禁止しており、またパリとパリ南部エソンヌ県を結ぶ国道118号線も13日夜から全面通行止めになっている。
こうした対策は、2018年2月の積雪により約2千人が高速道路に閉じ込められた惨事から教訓を得たものだという。
その他、パリ市とイル・ド・フランス首都圏は12日に「寒冷対策(le plan Grand Froid)」を発動した。
これは、気温が平年より大幅に下回る時に国および自治体が発令するもので、具体的には路上生活者・難民救済を目的としている。
この発動により体育館や市民センターなど、使われていない公共施設は一時的に宿泊施設に変わる。
そのため今週からパリでは、社会的に弱い立場にある人のための宿泊施設が30カ所も解放されることになった。
仏気象庁は現在でも、全国25の県に雪と凍結の警報を出している。
パリ〜ノルマンディー地方、逆方向のアルザス地方、そしてブルターニュ地方は特に警戒されているといい、多い所ではさらに15cmの積雪も予想されている。なおこの寒波は今週末まで続く見込みだ。
夏の激しい熱波から一転、今年のフランスの冬は厳しいものとなっている。
近隣諸国にも寒波が到来しているとのことだが、こうした寒さは節電対策や健康面にも影響を及ぼしてしまう。
そのため、フランスでは電気を使わない暖房器具(キャンプ用など)、ダウン、手袋、ニット帽等が例年よりも高い売れ行きを見せているとのことだ。(オ)