PANORAMA STORIES
日本とこんなに違う、フランスの薬局。売っているもの、売っていないもの Posted on 2022/11/20 ルイヤール 聖子 ライター パリ
海外でもお世話になることが多い、病院やお薬。
フランスでは古くから医薬分業制となっており、医師と薬剤師を完全に分けているため、病院内で薬を処方されることはまずありません。
ただ困るのは、フランスの病院がいつも予約でいっぱいで、運よく予約が取れたとしても翌々週、タイミングが悪ければ3ヶ月後‥という事態が発生すること。
さらに、レントゲン、血液検査、尿検査などは病院以外のラボで行わなければならず、その結果を持ってまた病院の予約を取り直さないとならない。
医師不足という現状もありますが、フランスの医療システムは日本よりずっと複雑で、難儀です。
そういう経緯もあってか、フランスでは体調を崩した時、大病でない場合は病院より街の薬局に駆け込む人が多いです。
街を歩けばコンビニほど多くの薬局が存在していて、常駐の薬剤師さんたちが優しく出迎えてくれます。
フランスでの薬局は、ドラッグストアというより「調剤薬局」の意味合いが大きいでしょうか。必ず対面販売で、スキンケアなどは自由に手に取れますが、頭痛薬や便秘薬などの市販薬は日本と違い、カウンター内にいる薬剤師さんに言わないと購入できないようになっています。
もちろん、病院から出された処方箋もこちらに持参して、お薬を処方してもらうことになります。
パリ中心部にある薬局や、大型駅併設の薬局はもっとフランクな雰囲気で、スキンケアやサプリメントを豊富に取り扱っているところが多いです。
そしてこうした商品は、あくまでも医薬品の一部として取り扱われているとのことです。
一方日本のドラッグストアには、市販薬のほかにお掃除グッズやトイレットペーパー、箱ティッシュなども並んでいますね。
その辺りは、人体向けに絞った商品を置くフランスに比べると本当に便利だと感じます。
※ずらっと並んだサプリメント、ハーブのコーナー。
こちらの薬局で特徴的なのは、写真のようにハーブ関連がとても豊富なことと、デリケートゾーンのソープがぎっしりと並んでいること。
特にデリケートゾーン・ソープの豊富さには「さすがフランス!」と感心してしまいました。
お肌に優しい処方のものが多く、しかも堂々と並んでいます。
これは女性には嬉しいラインナップの一つでした。
※デリケートコーナー。
フランス製のスキンケアブランドが安く手に入るところも魅力です。
乾燥したフランスではオイル美容が盛んで、美容オイルの種類も本当に多い。
また大型薬局では各コーナーに美容部員のようなスタッフさんがいて、探し物をしていると親切に声をかけてくださいます。
しかし日本にあってフランスにないものといえば、クール目薬です。
フランスでは、目がすっきりする系の目薬は市販されていません。
クールでない方の目薬でしたら、ほんのたまに見かけることはあります。
ただその値段も恐ろしく高い(小さめ一本で千円は超えてしまいます)ため、日本から取り寄せる品のリストに必ず加えています。
不思議なのは、「目薬をさしたことがない」というフランス人が一定数存在すること。
ほとんどの人がパソコンを使うのでドライアイにならないのかな?とも思うのですが、このように需要が少ないからなのでしょうか、フランスで目薬を手に入れるのは困難を極めます。
※思わず笑ってしまった薬局の踏み台。
日本とは少し勝手が違うフランスの薬局、基本的には楽しく、薬剤師さんたちもプロフェッショナルで非常に助かっています。
こちらの薬局ではコロナやインフルエンザのワクチンも打てますので、パンデミックからずっと頑張ってくれている薬剤師さんには、頭が下がる思いです。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。