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パリ最新情報「今年も一足早くお届け!パリのクリスマス風景2022」 Posted on 2022/11/18 Design Stories
早いもので、今年も残すところ1ヶ月強となった。
最近はフランスも日没が急に早くなり、17時には太陽がすっかり隠れてしまう。
加えて街はエネルギー不足による節電ムードのため、例年よりも少し静かな雰囲気だ。
しかし!そんな暗いパリを励ますかのように、クリスマスのデコレーションが華やかに街を彩るようになった。
クリスマスの風物詩といえば、パリの大型デパートが提案する煌びやかなデコレーション。
ということで、今年もパリのクリスマス風景をどこよりも早く!お届けしたい。
トップバッターだったのは、今年で創立170周年を迎えた世界最古のデパート、ル・ボンマルシェ。こちらは10月28日から始まっており、パリでも一番早いスタートを切った。
そんなル・ボンマルシェが扮したのは、「クリスマスのオーナメント工場」!
デパート自体が巨大な工房に変身し、妖精たちがクリスマスのオーナメントをせっせと作る‥という可愛らしいコンセプトだ。
合計4つのショーウィンドーには、星空と雪景色を背景に、妖精たちが一生懸命ツリーの飾り付けを作る姿が映し出される。
またデパート内にもあちこちに丸いボールが掲げられ、プラム色、ゴールド、ピンクといった温かみのある色彩が印象的だった。
電飾はやはり控えめだったが、丸みのあるデコレーションと柔らかな色が目にとても優しく、電気を用いた派手な飾り付けはマストではない、と思わせてくれた。
ちなみにお隣のグルメ館では今、クリスマスに向けた食材・シャンパンの特設コーナーも登場している。
リニューアル・オープン2年目を迎えたデパート、ラ・サマリテーヌのテーマは、「Paris mène la Danse(パリがダンスをリードする)」。
こちらではアール・ヌーヴォーの建築とイルミネーションのコラボが毎年魅力だが、今年は特にダンサーたちによるショーが目玉となっている。
館内ではさまざまなダンスショーが予定されており、毎週末にはシャトレ座のトップダンサーたちが集い、1930年代から現代までのダンスをミュージカル仕立てで披露するという。
ラ・サマリテーヌは他のデパートに比べて規模が小さいものの、館内のデコレーションはしっとりとした雰囲気で大人向けといった印象だ。
またこちらでも電飾は控えめで、その代わり「マンパワー」による催し物がいつになく豪華だった。
パリの象徴的デパート、プランタンでは、子供たちに大人気のショーウィンドーが今年も元気に開幕。
テーマは「クリスマス・サーカス」で、11ものショーウィンドーに可愛い人形たちがびっしりと並んだ。
音楽と共に繰り広げられる見事な世界観には、道行く子供たちも大喜び。
なお初日の11月9日には世界的スーパーモデルのナオミ・キャンベルさんも登場し、会場を大いに沸かせた。
そして最後はパリの名物、ギャラリーラファイエット本店の巨大クリスマス・ツリー!
11月16日に取り付けられたばかりで、初日は従業員のストライキが発生するというハプニングもあったが、巨大ツリーの下には今年も多くの人が集まった。
2022年のテーマは「Planète Sapin(惑星のツリー)」となっていて、これはパリの女性作家クレア・カスティヨン氏を招き、オリジナルの物語「Planète Sapin」をギャラリーラファイエットと共に創造することで、文学への回帰を果たしたという。
ストーリーの概要はこうだ。モミの木の惑星「エラト」の住人である主人公ノルトマンが、パリのクリスマスを救うために地球に送り込まれ、ギャラリーラファイエットに巨大クリスマス・ツリーを設置。
そこで思いがけない出会いを果たしていく‥という冒険物語となっている。
50年の歴史を誇るラファイエットのクリスマス・ツリーは、今年は緑が一層鮮やかで(実はプラスチックを使用せず厚紙で制作されている)、天井のガラスドームと共に美しく映えていたのが素敵だった。
節電ムードが漂う2022年のパリ。そのため今年は全体的に電飾が控えめだが、それが一層、幻想的な雰囲気を醸し出していたように思う。(内)