PANORAMA STORIES
日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・お惣菜編 Posted on 2023/11/17 ルイヤール 聖子 ライター パリ
フランスのマルシェには生鮮食品だけではなく、素敵なお惣菜がたくさん並んでいます。
日本にいた頃は、お惣菜のバラエティが豊富で値段もお手頃でしたので、本当によくお世話になっていました。
こちらフランスのお惣菜は日本ほど豊富ではありませんが、レストランより安く家庭料理が味わえるということで、料理をお休みしたい時の強い味方となっています。
ただスーパーのものは愛情不足(?)と言いますか、便利なのだけど冷たい感じがして買うのを躊躇してしまうことがあります。
そんな時に重宝するのが、週に数回開かれるマルシェのトレトゥール(お惣菜やさん)!
見ればいつも行列ができていて、一人暮らしのおばあちゃんから家族連れにまで大人気というのが分かります。
さてフランス人がこよなく愛するお惣菜・家庭料理にはどういったものがあるのでしょう?
お洒落に振らない、昔ながらの「おふくろの味」をここで一挙ご紹介したいと思います。
※フランス家庭料理の代表、トマト・ファルシ
このトマト・ファルシは、フランスでよく登場する家庭料理の一つです。
作り方はとても簡単で、豚ひき肉をくり抜いたトマトに詰めて、オーブンで40分〜50分焼くだけ。
付け合わせはライス(粘り気のないもの)が主で、出た肉汁をその上にたんまりとかけたりします。
もちろんトマトに限らず、ズッキーニやバターナッツ、パプリカなどに詰めてもOK。
ピーマンの肉詰めの要領にも似ていますが、フランスの味はもう少しワイルドです。
※コルドン・ブルー
こちらはみんな大好き、コルドン・ブルー!
コルドン・ブルーは、ハムと鶏肉をとろけるチーズで挟んで揚げたものです。
名前もかっこいいですね。
私は最初、「普通のハムカツなのでは?」と思いましたが、やはりここはフランス。ハムとチーズの味わいが深くてびっくりするほど美味しいです。
ただカロリーもびっくりするほど高いので、喫食するのは年に一度か二度くらいでしょうか。
それでもフランス人にとっては思い出の味のようで、最近ではパリにコルドン・ブルー・バーという専門店までできました。
※豚鼻のテリーヌ
さすが肉食大国!と思ったのは、こちらの豚鼻テリーヌです。
クラゲのような食感が特徴で、フランスでは前菜としてたまに登場するようです。
牛と同様、こちらでは豚も余すところなく食用に加工されます。
これらの味を好むのは最近ではお年を召した方がほとんどのように見受けられますが、食糧難を経験したからこそなのでしょう、細かいところまで大切にいただくという文化がこうしたお惣菜にも残っています。
※シャンピニオン・ア・ラ・グレック。写真では違う名札が置かれていますが、そういった細かいところも、気にしない?!
シャンピニオン・ア・ラ・グレックは、玉ねぎ、セロリ、マッシュルームを炒めた後、塩コショウ、トマトピューレ、白ワインで味付けしたものです。
こちらはサイドメニューとしてよく登場するお惣菜で、お口直しにも最適。日本人の味覚にも合う伝統的なフランスの一品料理です。
※ほうれん草のクリーム和え
またフランスのお惣菜には、生クリームを使用したものが多いです。
ほうれん草はクリームとの相性がとても良いですが、フランスのものはここでもこってり、濃厚です。それからこちらでは野菜をとろけるまでじっくり煮込むことが多い。ということで野菜のお惣菜に至っても、しっかりとした味付け・煮込み系が目立っています。
※田舎風パテ
こちらは中世から続くフランスの古典的な料理、田舎風パテ。「パテ・アン・クルート」と呼ばれていて、レストランでも家庭でも大人気の一品です。
これを嫌いなフランス人はもしかしたらいないのではないでしょうか?
ただパイ生地で包んでいるということもあり、家庭では非常に難易度の高い料理かもしれません。
このパテを上手く作ることができれば、きっと株も上がるはず‥
※ハムはここから切ってスライスしてくれます
スーパーより温もりがあって、レストランより安いお惣菜。
フランス旅行の際にちょっとずつ買って、ワイン片手にホテルで食べるのもいいですね。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
▷記事一覧2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。