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パリ最新情報「朝食のスター、パン・オ・ショコラの秘密。フランスでNo.1の味も発表に!」 Posted on 2022/11/11 Design Stories  

 
週末の朝食をクロワッサンにするか、パン・オ・ショコラにするか。
ほとんど取るに足らない問題だが、フランスにいるとこれが少し悩ましい。
パン屋さんに行けば、必ずこの二つがセンターに並んでいる。
フランスではどちらかと言うとクロワッサンの方が朝食(主に週末)の主役で、パン・オ・ショコラは朝食またはおやつ、といった立ち位置だ。
ただ寒くなってくるとなぜかチョコレートが美味しく感じられるため、この季節は普段よりパン・オ・ショコラが売れているような雰囲気さえある。
 

パリ最新情報「朝食のスター、パン・オ・ショコラの秘密。フランスでNo.1の味も発表に!」



 
そんな朝食のスター、パン・オ・ショコラの頂点を競ったコンクールが、先日パリのサロン・デュ・ショコラにおいて開かれた。
フランスではこれまでにベスト・クロワッサン、バゲット・コンクールなどさまざまなコンペティションが開かれていたが、No.1のパン・オ・ショコラを決める会は意外にもこれが初めて。
しかもパリではなくフランス全体で一番のパン・オ・ショコラを選ぶということで、会場には国内から計38人の凄腕パン職人が集まっていた。
 

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パリ最新情報「朝食のスター、パン・オ・ショコラの秘密。フランスでNo.1の味も発表に!」

 
この第1回パン・オ・ショコラ・マイスター大会でグランプリに輝いたのは、パリ近郊・ポワシー市にあるブーランジェリー、「AU SOLEIL(オー・ソレイユ)」。
職人歴35年のディディエ・ルドメ氏が率いるパン屋さんで、過去にはイル・ド・フランス首都圏主催のクロワッサン・コンクールでも入賞している実力派だ。
こちらでは一日に300〜400個のパン・オ・ショコラを売り上げていたというが、グランプリ受賞後は1,200個に増え、50km先からも人が集まってくるようになったという。
 

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※ポワシー市の様子



 
審査基準となったのは、調理法、味、見た目、チョコレート部分のフォンダン(溶け)具合、生地の焼き加減について。
AU SOLEILが一位に輝いた理由としては、こうした過程もさることながら、原料の全てがフランス国内で生産されていることが大きかった。

職人のディディエ・ルドメ氏によれば、パン・オ・ショコラは薄く伸ばした生地に棒状の板チョコをランダムに差し込んだあと、丁寧に丁寧に折り畳んで作られていくという。
そうすることで生地は空気をよく含み、内側にクロワッサンのような空洞がはっきりと出来上がる。(しかし「折り目」の数、カカオの割合は企業秘密。)
 

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※こちらがフランスNo.1のパン・オ・ショコラ



 
またパンの発酵は、バターの風味が損なわれない25℃で2時間から2時間半行われる。
そして湿度60%で12分間焼成することで、エアリー感たっぷりの驚くほど軽いパン・オ・ショコラができあがるとのことだ。
確かに、こちらのパン・オ・ショコラは油っぽい印象がない。
チョコレートもつぶれることなく適度に主張しており、質の良いクロワッサンによく見られる、「花びら」のようにこぼれ落ちるパン生地がとても上品だった。
クロワッサンのチョコレート版として中世後期から登場したパン・オ・ショコラだが、今ではフランスだけでなく近隣の国でも広く愛されている。
またフランス国内では「パン・オ・ショコラ」と呼ぶか、「ショコラティーヌ」と呼ぶか、昔から小さな論争が巻き起こっており(ショコラティーヌと呼ぶのは仏南西部)、南仏のとあるパン屋さんではパン・オ・ショコラを5 ユーロ、ショコラティーヌを1ユーロで販売したという可愛い意地悪も発生したことがある。

ただフランスにおけるパン・オ・ショコラの食べ方は、そのままでも良し、カフェオレまたはミルクに浸しても良し、そして朝食にもおやつにもOKと、クロワッサンより自由度が高い。
いずれにしろ温かい飲み物と相性の合うパン・オ・ショコラは、今の季節に好ましい食べ物となった。(聖)
 

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