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パリ最新情報「マクロン大統領が生政治番組に連続登壇。フランスのインフラは5.6%増」 Posted on 2022/10/28 Design Stories
2022年10月12日(水)、仏国営放送のFrance 2が新しい政治番組「L’événement」をスタートさせた。20時20分から生放送で、キャロリーヌ・ルー氏が司会を努める。専門家などを呼んで政治について生討論するという番組だが、1回目のゲストはエマニュエル・マクロン大統領。60分間の独占インタビューで、ロシアによるウクライナへの大規模な攻撃、イランの反乱、世界におけるヨーロッパの位置づけ、ウクライナ戦争がフランスにもたらす影響など、国際的な問題に答えた。
そして、10月26日(水)、なんと、番組2回目のゲストもエマニュエル・マクロン大統領だった。2週間前に国際問題について語ったマクロン大統領は、今回、エネルギー価格の高騰で大打撃を受けているフランス人の購買力低下、インフレとの戦い、賃上げ要求による3週間続いたガソリン不足、また、不法滞在のアルジェリア人女性によって12歳の少女が殺害された事件があったため、移民問題が再び取り上げられた。その他、リタイア、健康、気候、病院問題など、フランス人の日常的な問題に踏み込む1時間となった。
特に国民の関心が高いインフラについて、マクロン氏は「フランスは近隣諸国よりもうまくインフレをコントロールできた」と自賛。最新の統計によれば、9月の物価は前年同月比 5.6%増にとどまっているという。欧州の近隣諸国と比較すると、物価の上昇幅は小さくなってきており、例えば、欧州委員会の統計局(欧州連合統計局)のデータによると、イタリアは9.5%、ドイツは10.9%、エストニアは24.2%増となっているそうだ。
とはいえ、食料品の値上げについて、司会者のルー氏は、食パンが16.9%、ハムが11,3%、バター25.6%、ガスと電気に関しては15%増しという数字をだし、この値上げは大きすぎると指摘。
それに対するマクロン大統領の答えは、確かに大きいが、今は耐えなければならない。電気とガスに関しては100%の値上げが予測されていたとし、政府はこの15%を超えないように努力することが大事だとし、貧困層や学生への支援に関して語った。
視聴率調査会社 Médiamétrieは、マクロン大統領が登壇した初回の視聴率は23.6%、2回目は18.1%だったと発表。2回目が少し低下したとはいえ、大統領が生放送で国内外の問題に答える番組は珍しい。
質問はあらかじめ準備されているのかもしれないが、問題に次々と答える大統領に「なぜ?」「じゃあ、どうすれば?」と、どんどんせめて行く司会者の姿が印象的だった。