欧州最新情報

パリ最新情報「パリの新しいトレンド、琥珀色のオレンジワイン!」 Posted on 2022/09/17 Design Stories  

 
赤でもなく、白でもなく、ロゼでもないまったく新しいワインが今、パリの若者たちの間で新たなトレンドとなっている。
これは「オレンジワイン」と呼ばれる琥珀色をしたワインで、その個性的な味わいからワイン愛好家はもとより、そうでない人たちのハートまで掴んでいる。
 

パリ最新情報「パリの新しいトレンド、琥珀色のオレンジワイン!」



 
オレンジワインは果物のオレンジから造られるお酒ではなく、白ワイン用のブドウで造られるれっきとしたワインの一種だ。
通常、赤ワインは黒ブドウを皮ごと醸造して造られ、白ワインは白ブドウの皮や種を取り除いて醸造される。
オレンジワインはどうかというと、白ブドウを使いつつ、赤ワインと同じ製法で造るワインとなる。つまり白ブドウの皮や種も一緒に仕込むことで、果皮の香りや白ワインにない渋味を伴う、複雑な味わいのワインとなる。
白ブドウの皮に含まれる色素成分が残るので、琥珀色・橙色・山吹色といった深みのある色になるのが特徴的だ。

これまでほとんど聞くことのなかったオレンジワインだが、今のパリを席巻するタパス店(小皿料理を提供するレストラン)では「本日のおすすめワイン」としてメニューの先頭に登場するようにもなった。

しかしオレンジワイン自体は、古い時代からジョージアやギリシャなどで造られていた。
今になって流行した理由には、パリの若者たちが自然派ワインにこだわっていること、そしてオレンジワインがどんな料理にも合うオールラウンダーであることが挙げられる。
 

パリ最新情報「パリの新しいトレンド、琥珀色のオレンジワイン!」

地球カレッジ



 
オレンジワインのほとんどは自然派ワイン、つまり酸化防止剤を必要としないナチュラルワインとなっている。
これはパリの若者たちのマスト事項でもあるため、ブームに乗るのはさほど難しいことではなかった。
またパリの食文化はどんどん多様化しており、世界各国のフュージョン料理をタパススタイルで提供するレストランも増えている。
そこで注目されたのがオレンジワインだ。
オレンジワインはこれまで「ワインと合わせるのが難しい」とされてきた、スパイシーなインド料理、韓国料理とも想像以上の相性を見せることがあるという。
白ブドウ由来なのにタンニンが感じられる味なので、前菜から肉料理まで1本で完結させることもできる。

万人受けするわけではないが、アプリコットのような熟れた果実味に樽の香り、というのがオレンジワインの特徴。少しビールにも似た風味で甘くはない。
なおフランスでは白ワインの産地であるアルザス地方を中心に、オレンジワインが製造されている。
 

パリ最新情報「パリの新しいトレンド、琥珀色のオレンジワイン!」

※アペロタイムのほか、ジビエ料理にも合うとお勧めされたフランス・アルザス産のオレンジワイン。



 
パリの若者たちはワイン派よりビール派が多い印象だった。
しかしビールに似た苦み・渋みを持つオレンジワインは彼らにもすんなり受け入れられたのだろう。
流行りのワインバーでは、若いパリジャンたちが赤でも白でもない、オレンジワインを手にしていたのが印象的だった。

なお今秋のワインフェアにおいては、モノプリなど一部のスーパーマーケットで例年より多くのオレンジワインが並ぶ予定だという。
フランスでは夏にロゼワインが大人気となっていたが、これからは秋の風物詩として「琥珀色のオレンジワイン」が並ぶかも?(コ)
 

自分流×帝京大学