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日本とこんなに違う、フランスの美容院 Posted on 2024/03/05 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
フランスの美容院に行く時は決まってドキドキします。
微妙なニュアンスが伝わるかどうか、カラーがうまく入るかどうか…行き慣れた日本の美容院とは勝手も違うため、渡仏4年経った今でもドキドキが止まりません。

私はこれまで、白人系フランス人の美容院、ベトナム系フランス人の美容院など、相性が合うサロンをいろいろ探し、訪れました。
そこで気づいたのは、「美容院も日本と少し様子が違う」ということです。
技術もそうですが、美容院で使われるアイテム等が日本とだいぶ異なるのです。
 



日本とこんなに違う、フランスの美容院

 
一番「あれっ」と思ったのはシャンプー台でしょうか。
写真のように、フランスのシャンプー台は電動式ではありません。
ごく普通の皮椅子です。
つまり椅子に腰かけて、首を後ろにグイっと反らせる必要があります。
湯船でフランス人が頭を洗うように、首だけ海老反りにしなければならないのです。

ある美容院では、皮椅子が実は“マッサージチェア”だったこともあります。
理由は「シャンプーの際にリラックスしてもらうため」と美容師さんはおっしゃっていました。
確かに腰から下は気持ち良いのですが、何せ首が痛いので気が休まりません…。
それからシャンプー中に顔にタオルをかける習慣もフランスにはないです。
シャンプー時の会話はつまり、目と目を合わせながら行っています。
 



日本とこんなに違う、フランスの美容院

 
カット時もなかなか豪快です。
まずクロス(ケープ)と首の間にタオルを挟む習慣がないため、カットした毛は結構な割合で服や首にへばりつきます。
荷物預かりサービスはある所とない所があって、ない所だと膝の上や床に荷物を置きます。
膝の上に抱えていた私は、トートバッグの中にカットした髪の毛がたくさん入っていることもありました。(パリ在住の日本人美容師さんですとそんなことはありません)

カットのスピードは早く、思い切りが良いです。
「完成イメージはこうです」と写真を持っていけば、ほぼ(8割くらい)理想のイメージに近づけるでしょうか。
ただ、例えば「3センチ切って下さい」と明確に伝えても、なぜか1.5センチくらいは短めに仕上がることが多いです。
これは在仏の友人が何人も経験しました。

それでもカラーリングは抜群に上手です。
私はいつも赤を入れてもらっているのですが、その鮮やかさはいつも期待以上です。
薬剤の違いもしくは色彩感覚の違いがあるのでしょうか、写真をお見せして「この色でお願いします」と言うと、フランス人の美容師さんはその都度高い技術で再現してくれます。
 



日本とこんなに違う、フランスの美容院

 
細かいところで言えば、雑誌が置いてある、カラーの待ち時間にコーヒーをサービスしてくれる、ヘアケア製品が売られている、などは日本と同じです。
雰囲気はとてもフレンドリーで、常連さんが「ボンジュール」と入ってきて指示を待たずにシャンプー台に直行する、なんていう姿も見られます。

問題は、その値段です…パリは美容院代も高い。
例えばカット&カラーのロング料金だと140€〜200€ほど(約19,600円〜28,000円)します。
カットのみであれば60€(約8,400円)前後でしょうか。
サロンや施術内容によってまちまちではありますが、やはりパリは特別に高いですね。
しかし郊外に行けば行くほど値段は下がります。
パリから車で一時間の美容院ではカット&カラー料金が80€(約11,200円)でした。

また自営業の美容院も多いため、夏のバカンス期間は一ヶ月くらい休業する所が多いです。
それもあって、バカンス前の6〜7月が一年で一番忙しいのだとか。
まさに今の時期ですね。
髪を整え、スッキリした姿で旅行を楽しむ、といったお客様が多いとのことです。
日本では年末に髪を切る方が多いかと思いますが、こうした文化の違いは美容院にも現れていました。
海外生活あるあるの美容院問題、ほかの国がどうなのかも気になるところです!
 

自分流×帝京大学



Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。