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パリ最新情報「アイスクリーム快進撃!仏業界は笑いが止まらない?!」 Posted on 2022/06/23
フランスにおけるアイスクリームの売上が絶好調となっている。
イタリアやアメリカのイメージが強いアイスクリームだが、実はフランスも一大生産国のひとつ。
2020年には市場規模が12億ユーロでイタリアを上回り、金額で欧州トップになるなど、明らかに好調であることが分かる。
今週に入ってからは涼しい気候に戻ったものの、度重なる熱波がその勢いに拍車をかけている。
インフレにも負けず、アイスクリーム、水、扇風機の売上がフランス国内で爆発的に伸びているという。
なかでもアイスクリームの売上は右肩上がりでしかない。
過去10年間では年平均で3%ずつ伸びており、去年1年では一気に7%もアップ。
猛暑やコロナ禍の“おこもり消費”が業界を後押しした。
仏アイスクリーム協会会長のシルヴィ・ガリアード氏は喜ぶ。
「フランスでは10世帯のうち8世帯以上が習慣的にアイスクリームを食べています。コーンよりはスティックが主流。2012年から2020年の間に、工場とメーカーの数は31%増と、ますます多くの事業所が誕生しています」とのことだ。
フランス人にとってアイスクリームは「夏」「バカンス」を連想させる癒しのアイテムであり、さらに約70%のフランス人は「質の良いものならアイスクリームにもっとお金を払ってもいい」と考えていることが明らかになった。
実際にパリを歩くと、アイス片手に散策する人が例年より多い印象を受ける。
中心地サンルイ島にある老舗アイスクリーム店、ベルティヨンには長蛇の列ができており、セーヌ川付近には移動式のかき氷店まで登場した。
スーパーのアイスコーナーも充実しており、ファミリーサイズの商品は特に空きが目立つ。
フランスにコンビニはないが、代わって販売するのは街のブーランジェリーやパティスリー。
夏限定でアイスクリームのショーケースを一番目立つところに置いている。
また週末のマルシェでもよく売られていて、こちらは産地直送の素材を使っているため美味しさも抜群だ。
さてフランス人にはどんなフレーバーが人気なのだろうか。
一位はやはりバニラで、チョコレート、レモンソルベ、ピスタチオがそれに続く。
トッピングは断トツで生クリームが一位。
チョコレートソース、キャラメルソースに大差をつけている。
つまり、バニラアイスに生クリームのトッピング、というのがフランス人の理想形となるらしい。
一方でフランスならではの“珍フレーバー”も話題となっている。
最たるものとしては、カマンベール、ロックフォール(ブルーチーズ)、グランマル二エ(オレンジのリキュール)などだ。
チーズ生産の豊富な中央フランスで主に販売されているという。
チーズの国が作るチーズのアイスがどれほど美味なのか、一度は試してみたい。
※左がカシスのBIOソルベ、右がフランボワーズのBIOソルベ。着色料を使わないのにこの発色。
またBIOアイスも大流行の兆しを見せている。
BIOかつフレンチメイド、パッケージも中身もエコフレンドリーで…というのが仏消費者のニーズだそうだ。(この3つは購買のマスト事項になりつつある)
食べればますます喉が乾いてしまう、とは分かっているものの、ついつい買ってしまうアイスクリーム。
インフレのニュースが毎日のように報道されるフランスだが、一方でアイス絶好調という記事も頻繁に配信されるようになった。
こういった明るいニュースはどの国でも、どの分野でもやはり嬉しくなる。(オ)