JINSEI STORIES

父ちゃんの料理教室「甘ずっぱり英国由来のデザート、ルバーブのクランブル」 Posted on 2022/06/12 辻 仁成 作家 パリ

八百屋のマーシャルのところに夏野菜を買いに行った。
すると、マーシャルがまっさきに「これ」といって、差し出したのが赤いセロリのような植物、ルバーブであった。
日本ではなじみのない野菜だが、かつては漢方として煎じられていたのだとか。
かなり酸味が強いが、栄養は豊富で、ビタミン、ミネラル、ナトリウムなどが大量に含まれている。
体内の毒素を排出する力があるので、むくみをとり、デトックス効果も高いと言われている。
フランスではこのルバーブを使ったジャムが有名だけれど、ジャムから少し発展させた英国風の「クランブル」に今日は挑戦してみたいと思う。日曜日に最適なのだ。
英国に行くとティーハウスで紅茶とクランブルというイメージが強いのだけど、実はこの「クランブル」はデザート用だけじゃなく、塩味の食事用のクランブルもあったりする。
砂糖のかわりにチーズをいれて、野菜とかお肉のクランブルを作るのだ。簡単だけれど、様々なバリエーションのある料理法と言える。
今回は、夏野菜ということでマーシャルおすすめのルバーブでクランブルを作ることになるけれど、りんごやベリーなどでも出来る。
その場合、砂糖の量を変えるだけで、料理行程はほぼ一緒。いろいろと工夫できそうなレシピなのである。じゃあ、一緒に作ってみましょう。

父ちゃんの料理教室「甘ずっぱり英国由来のデザート、ルバーブのクランブル」



〈ルバーブのジャム(コンポート)〉
ルバーブ1本(約200g)
ブラウンシュガー80g
レモン汁小さじ1

父ちゃんの料理教室「甘ずっぱり英国由来のデザート、ルバーブのクランブル」

〈クランブルのレシピ〉
小麦粉、アーモンドプードル、ブラウンシュガー、バター(1cmくらいのキューブ状にしておく)各50g
塩ひとつまみ、シナモンはお好みで
まず、クランブルの材料、全てをボウルに入れ、全体が混ざって砂のようになるまで、指で潰しながら混ぜる。
一旦冷凍庫に入れておく。
ルバーブの皮を剥き、1cmくらいに切る。
鍋にルバーブを入れ、ブラウンシュガーをまぶし、1時間くらい放置する。(時間が無ければいきなり火を入れても大丈夫ですよ~)
鍋を火にかけ、ルバーブを煮る。
アクが出たら取り、蓋をして20分くらい煮て、トロトロになったらオッケー。



父ちゃんの料理教室「甘ずっぱり英国由来のデザート、ルバーブのクランブル」

オーブン皿にルバーブを入れ、クランブルを上に敷き詰め、200度に予熱したオーブンで20分ほど焼いたら完成となる。
熱々でも美味しいし、冷たく冷やしても良い。
トロトロになったルバーブの酸味とカリカリ甘いクランブルが絶妙な組み合わせを堪能されたし・・・。
ルバーブの旬、初夏に食べたくなる英国由来の家庭のお菓子なのであーる。
サワークリームや生クリームを添えればなお豪華に、なおイングランド風になりますよ! ボナペティ。

父ちゃんの料理教室「甘ずっぱり英国由来のデザート、ルバーブのクランブル」

地球カレッジ



自分流×帝京大学