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パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」 Posted on 2022/05/21 Design Stories  

 
パリでは、約3年間低迷していた観光業がコロナ以前まで回復し、絶好調となっている。
通常、パリのハイシーズンは春のイースター休暇期間と、夏休み、年末年始である。
なかでも今春のイースター期間は近隣諸国からの旅行者が大幅に増え、パリのホテルの稼働率も91%を記録したという。
特徴としてはイタリア、スペインに次いでドイツから訪れる人が最も多く、主な入国経路は陸路から。
さらに今夏の予約状況も盛況で、ホテルの予約は2019年の夏に比べて40%増であることが分かった。
 

パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」



 
「どこに泊まるか?」は、旅行の楽しみのひとつである。
パリは世界一の観光都市のため、ホテル以外にもさまざまな宿泊方法が存在している。
Airbnb(日本名:エアビーアンドビー)は世界最大級の民泊サイトだが、パリでもその人気は依然として衰えない。
そんなAirbnbフランスとパリの観光名所が、初夏に向けて驚くようなプランを発表したのである。
 

パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」

 
それは、映画の舞台にもなったあのムーラン・ルージュだ。
正確にはムーラン・ルージュのトレードマークである、赤い風車の「隠し部屋」に宿泊できるという。
Airbnbフランスとムーラン・ルージュの特別企画により実現したもので、2022年6月13日、20日、27日の3夜限定で、計3組6名のゲストをそれぞれ1泊2日でもてなす。
金額はなんと、たったの1ユーロでOKとのことだ。
 

パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」

出典:Moulin Rougeオフィシャルインスタグラムより

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風車小屋の中が公開されるのは、1889年の創業以来初めて。
当然今までは寝室として使われているものではなかったが、Airbnbフランスが資金を提供し、「踊り子の控え室」風に、19世紀に流行したオブジェを集め改装した。
19世紀のフランス歴史学者も協力者として参加し、実現したという。

ポイントは、ベルエポック時代の華やかなアクセサリー、コスチューム、香水、ファンからの手紙などを展示したドレッシングルームであること。
モンマルトルの繁華街を見渡せるルーフトップテラスも付いている。
 

パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」



 
宿泊の他にも、劇場のバックステージツアー、フレンチガストロノミーの豪華ディナー体験、VIP席でのショー鑑賞がプランに含まれている。
いずれも予約客が支払うのは1ユーロだけ、というから驚きだ。

なぜこれほど太っ腹な企画が実現したかというと、そこにはムーラン・ルージュの若手経営者、ヴィルジニー・クレリコ氏の切なる思いがあった。
実は、ムーラン・ルージュのあの風車小屋は、長いあいだ物置として使われていたとのこと。
クレリコ氏はずっとこの場所を改造したいと思っていたそうで、コロナ復活の証としてAirbnbに企画を持ち込んだ。
今後は他のイベントも開催できるよう、常設する考えだという。
ムーラン・ルージュの舞台裏やノウハウも知ってもらい、フランスの芸術を活性化するのが目的だとも打ち明けている。
 

パリ最新情報「ムーラン・ルージュの“中”が初公開!1ユーロで泊まれる部屋に大変身」

 
なお、予約は5月17日19時(フランス時間)から先着順で行われたが、結果はまだ明らかになっていない。
条件は18歳以上であることと、Airbnbの旅行者としてすでに3件の好評価を得ていることのみだった。

世界一の観光都市が生み出すアイデアは斬新でユニークだ。
Airbnbフランスは、過去にはルーブル美術館のピラミッドの下、カタコンベ、ロワール地方のお城など、びっくりするような宿泊場所を格安で提供してきた。

ムーラン・ルージュは今回の企画について、「ムーラン・ルージュほどベルエポックを象徴するランドマークはないでしょう。赤い風車の秘密の部屋で、キャバレー創成期である19世紀後半のパリにタイムスリップしてしまうような感覚をぜひ味わってみてください!」とコメントを発表している。(内)
 

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