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パリ最新情報「パリの交通安全を願うウサギのセルジュ、45歳の誕生日を迎える」 Posted on 2022/05/05 Design Stories  

 
「ドアに手をつくと挟まれるから気を付けて!」
こうアドバイスするのは、黄色いTシャツに身を包んだウサギのセルジュ。
パリで電車やバス、地下鉄に乗ったことのある人ならば、一度はセルジュのステッカーを目にしたことがあるのでは?
 

パリ最新情報「パリの交通安全を願うウサギのセルジュ、45歳の誕生日を迎える」



 
5月3日、そんなウサギのセルジュが45歳の誕生日を迎えた。
彼は、RATP(パリ交通公団)の公式マスコットキャラクターである。
生まれてから一度も休むことなく、バカンスも取らず、パリの交通安全を見守ってきた。
これまでに救ったパリジャンの手は数知れず。現在はおよそ24,000ものステッカーが、パリ交通機関のドアに貼られている。
RATPはこの日、セルジュの誕生日を祝うため複数の駅でオリジナルのチョコレートを配布。
一部の地下鉄駅では着ぐるみに身を包んだ本物のセルジュが登場し、メトロ愛用者を喜ばせた。
 

パリ最新情報「パリの交通安全を願うウサギのセルジュ、45歳の誕生日を迎える」

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ウサギのセルジュは、デザイナーのアンヌ・ルラガデック氏の案によって1977年に誕生した。
パリの公共交通機関で手を挟まれるリスクを防ぐという、一つのミッションを45年間もやり遂げている。
しかし登場するのはステッカーだけではない。
自身のTwitterアカウントも持っており、RATP本社には彼専用の執務室もあるという。
立派なムッシュになったセルジュに、仏紙Le Parisienが独占インタビューを行ったので一部抜粋してご紹介したい。

Q、なぜ、電車のドアに登場したのですか?

A、乗客、特に子どもが電車のドアで手を挟む危険を防ぐためには、絶対に必要なことでした。
メッセージはシンプルで、「ドアに手をつくと挟まれるから気を付けて!」というものです。
ドア以外にも発車ベルが鳴ってから乗車しないよう、注意を促しています。
パリジャンはそれで毎年何人も怪我をしているし、電車も遅れるし、とても危ないのです。

Q、他にもミッションがあるのでしょうか?

A、最近ではパリ市内の115台のエスカレーター付近でも、お客様に気をつけてくださいとお伝えしています。
エスカレーターは、毎日同じルートを通ることに慣れている人にとっては、意識する必要のない危険なものでもあります。
端を歩きすぎないこと、靴ひもをしっかり結ぶこと。
そのため、私はパリで最も事故が起こりやすい115台のエスカレーターに(ステッカーとして)立ち会っています。
 

パリ最新情報「パリの交通安全を願うウサギのセルジュ、45歳の誕生日を迎える」



 
Q、衣装にはこだわりがあるのですか?

A、多くのパリジェンヌがそうであるように、私もスタイルにはこだわりがあるんです。
2014年、私は青いズボンと黄色いTシャツに着替えました。
これを変えることはないでしょう。

Q、パリの乗客にメッセージを。

A、今は誰もがマスクをして、ヘッドホンで音楽を聴き、スマートフォンに釘付けになっています。
時代は変わり、路線によっては人が少なくなっています。
しかし12番線ではまもなく二つの駅が開通しますし、新しい列車も毎年登場しています。
それからRATPも女性化を目指しています。
もし女性で交通安全に関心のある人がいれば、迷わず履歴書を送って下さい。
 

パリ最新情報「パリの交通安全を願うウサギのセルジュ、45歳の誕生日を迎える」

 
ウサギの優しいイメージ、元気に走り回るイメージから生み出されたセルジュは、こうして45年間もパリジャンに愛されてきた。
パリでは他にも、ソーシャルディスタンスを促すクマさんがコロナ禍で人気となったが、セルジュは彼らとともに忙しいパリジャンの癒しとなっている。(オ)
 

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