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退屈日記「ぼくはどうやって一日を捌いているのか。時間は作るもの」 Posted on 2022/04/22 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、よく「時間がない」というのを聞く。
確かに、時間は湯水のようにないが、身体は一つなので、大事なのは、ない時間を作ること、であろう。
ぼくは「時間がない」とう口癖が嫌いで「時間は作るもの」と昔から決めてきた。
家事と仕事とを両立させるためには、どうしても一日の管理が大事になるので、毎日、何かをその時間の隙間に挟み込んでいく。
作家なので書き下ろし小説が大事な仕事の一つだけど、これは日々のスケジュールの中にはカウントしていない。
スケジュールに入るのは、まず、一日二回の日記と定期連載(および飛び込み)のエッセイ数本、買い物、夜ご飯、家事、三四郎の散歩ということになる。
やりたい仕事は「甘いものは別腹」方式で、自由に割り込ませている。
気が向いたらギターの練習をし、眠れない深夜とかに小説を書く。
そんなわけで、主な一日の流れをご紹介したい。



朝、6時に起床、ベッドの中で世界中のニュースを眺め、世界を心配する。
7時から、「退屈日記」をまずやっつける、これは頭を動かすための訓練を兼ねている。メールのチェック、仕事関係の人たちとのZOOM会議など。
8時、三四郎に朝ごはん、息子を学校に送り出し、キッチンの片づけなどをして、
8時45分に三四郎の朝の散歩に出る。(ピッピとポッポ、おしっことうんちが大事)モジャ男のカフェでカフェオレ。リールとかtiktokとか見て、笑う。時々、これから自分はどうするか、自問したり。
10時、dancyu、連載小説、レシピ連載など。文章教室の課題を読んだりリライトしたり、脚本を書いたり、依頼された仕事は午前中の昼食までの間で必ずやっつける。
12時、食事。(たまに、行きつけのカフェで)
12時半、昼寝(シエスタは10分から30分の間で)
13時、夕飯の食材を買いに。昨日は息子に頼まれたコピー機のインクを買いに。買い物には三四郎は連れていけないので、お留守番。監視カメラでチェック。(日々の愉しみなので、まとめ買いはしない。店員さんらと立ち話で、情報収集)
14時、家事(掃除、洗濯など)掃除ロボットの五郎が毎日稼働する時間にあわせて、ぼくも働く。そうすると連帯感が生まれるので効率がいい。
15時、この時期なら、夏のライブの構成を決めたり、歌の練習。ギターの運指練習、他。NHKBSの映像の撮影とか、チェックなどもここでやる。疲れたら、三四郎とじゃれている。
16時、三四郎を散歩に連れて行く。行きつけのカフェに顔を出し、エスプレッソ。
17時、ここから、創作の時間、今だと、連載小説「動かぬ時の扉」を書き進める。息子が帰って来るので、おやつを出す。サンドイッチとかおにぎりとか・・・。
18時半、「滞仏日記」を書く。忙しい時は、寝る前にこれが移動する。日記を書きながら、夕飯の準備をする。煮物が多いので、日記と煮物を交互にチェックしている。リールとかtiktokとか見て、世間を憂いている。世界各地のニュースのチェック。ギターの練習。
20時、三四郎に夕飯を与える。三四郎とちょっと遊ぶ。ギターの練習。
20時半、息子と夕食。世間話をしながら、息子の精神状態などをチェックしている。
21時半、三四郎を散歩(夜の滑走路)に連れ出す。(ピッピとポッポが出来たら帰還する)
22時半、夜の執筆が少し。他の仕事、日記の配信、ライターさんから送られてきた原稿のチェックや配信準備をする。リライトもたまにやる。
23時半、三四郎を寝かせながら、寝酒を飲む。ツイッター「おはよう、日本」を考えて、打つ。就寝。眠れない時は、書下ろし小説と向かい合う。

退屈日記「ぼくはどうやって一日を捌いているのか。時間は作るもの」



毎日の、こういうルーティーンだけど、この通りにならない場合もある。
友だちから誘いの電話が入る場合もあるし、疲れた時は行きつけのバーのカウンターで呑んだりもする。めったにないけど、知り合いに食事に誘されることもあるし、飛び込みで大きな仕事が入るとこのスケジュールは無理になる。
しかし、息子と三四郎が生活の中心にあり、疲れるとリールとかtikutokを眺めてぼんやりしている。または、ギターをひいている。
ここには書いてないけど、デザインストーリーズの仕事は編集から主宰までいろいろとあるので、空いている時間で、やっつけている。
明日は息子の受験なので、今日はこれからかつ丼の準備。NHKBSの八百屋の撮影も今日に変更になったので、そういうイレギュラーな仕事もこなしているので一日が精一杯で過ぎていく。
ぼくは人生を振り返るのが嫌いだから、きっと、こういうスケジュールでやっていけるのだと思う。
明日をもっと楽しい日にしてやろうと、面白がっている。一度しかない人生なのだから、憚らずトライし、たくさんのものを残していきたい。
じゃあ、いってきます。

つづく。



退屈日記「ぼくはどうやって一日を捌いているのか。時間は作るもの」

今日も読んでくださって、ありがとう。

良い一日を!!!

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