JINSEI STORIES
父ちゃんたちの料理教室・新連載「シェフ、トトさんの簡単リエット」 Posted on 2022/04/07 辻 仁成 作家 パリ
勝手に新連載をスタートさせましたが、続くかわかりません。
フランス在住の料理大好き男子(シェフとおやじ含む)たちが、気の利いたフレンチの一品を披露しあうという、なかなかレアな企画であります。
まず、トップバッターはパリ七区でミシュランの一つ星に輝く、世界のグルメに大人気のレストラン・NAKATANIのシェフ、中谷慎祐(44)さん、あだ名はトトさん、が御指南くださる、超簡単「リエット」になりますが、これが、マジ、最高なんですよ、皆さま!!!!
「フレンチ・一口知識」
リエットとは、フランス語でもともとは「豚肉の塊」を意味しておりました。その名の通り、リエットは豚肉を細かく刻んで煮込んで作られるいわゆる保存食です。しかし、最近は、豚だけじゃなく、様々なリエットが存在します。パテではなく、煮込んで作るリエット、これはフランス人の定番家庭料理なので、ぜひ、お試しください。最高に美味いです。
では、さっそく、トトさんこと、中谷シェフにご登場いただきます。写真、右の怪しいおっさんは、パリ日本人料理人会の代表(笑)、おなじみ、呑もちゃんこと野本ですので、間違わないように。左の若いシェフがトトさんになります。じゃあ、さっそく、レシピを教わりましょう。
「辻さん、これ、とっても簡単なんですよ。ご家庭ですぐにできますから、ご安心ください。まずですね、豚バラブロックと同じグラム数の玉ねぎを用意します。
あればココットで、大きめのブロックに切った豚バラを全面焼き色をつけまして、一度取り出します。いいですね?
そこにスライスした玉ねぎを入れ中火でしっかり飴色になるまで炒めます。好みの量の白ワインと塩胡椒を入れ、そこに、お肉を戻し蓋をして、そうですね、弱火で3-4時間、ぐつぐつとじっくり煮込んでください。
水分が少なければ、途中で、水でもワインでもブイヨンでも足して下さい。理想は、7分目ぐらいまで水分がある方が仕上がりがしっとりして良いと思います。
いいかげんですけど、そういうのがいいんです。気楽に作ってください。ぜったい、美味しくなりますからね。
その後、肉がフォークで押して簡単に潰れるくらいになったらokです。
ここからは好みで、たとえば、肉肉しくしたい時はフォークで荒く潰すだけでも良いですし、この写真のようにいわゆるリエットらしくするならば、ハンドミキサーで軽く回してあげてもいいと思います。辻さんは、ハンドミキサー使うの好きですものね。
しかし、気を付けて、あまり滑らかにしすぎないのが良いでしょう? パンに塗って、がぶっと食べたら、最高ですよ」
いいですね、ボナペティ!
パリにお越しの際は、ぼくもしょっちゅう顔を出す、パパ友レストラン、NAKATANIをごひいきに。
ぼくもたまにカウンターであぶらを売っています。厨房でお皿を洗っていることもありますよー。あはは・・・
NAKATANI
27 rue Pierre Leroux 75007 PARIS FRANCE
Tel. 01 47 34 94 14
普段はトトさん、かっこいいんですよー。