欧州最新情報
パリ最新情報「3月8日は国際女性デー。レストラン業界の男女平等化でかわること。」 Posted on 2022/03/05 Design Stories
来たる3月8日は国際女性デー。
世界中で女性の生き方を考える日。
70年代から国連が指揮をとり、各国の公的機関、民間機関が様々な形でイベントを開く。
フランス語は日本語同様、国際女性デー=Journée internationale des femmes だが、国際女性の権利デーJournée internationale des droits des femmesとも言われる。
もともと女性の労働条件の改善と投票権を請願することから始まったものだからだ。
現在ではそれらのみならず様々な分野での男女平等、女性の権利に主題が広がり、多くの視点で開かれるようになっている。
フランスはもちろん日本でも3月8日を中心に約1ヶ月くらいの間、セミナー、コンサート、映画祭、表彰式、そしてパネルディスカッションなどが全国で開催される。
コロナ渦がまだあとを引き、オンラインイベントも多いので興味のある方は気軽に参加ーまずはただ覗くだけでもーしてみたい。
女性が主役になる国際女性デーではあるが、決して“女尊男卑”的であったり男vs女を匂わすものでなく、 女性の才能にもっと注目し、女性の活躍の場が広がると、性別関係なくこんなにも明るい未来が描けるのだということが感じられてくる。
女性のみならず男性にもとても興味深い。
政治や会社の世界では法の力添え、科学や教育の世界ではこれらのムーブメントの功もあり、女性の活躍が増えてきた。
ところでフランスはといえばのガストロミーの世界は頑固な男性社会と言われているが、どうであろう。
この世界女性デーに向け、トリップアドバイザー(世界最大級のインターナショナル旅サイト)が運営するザ・ファーク(フランス最大級のレストランサイト。
欧州とオーストラリアの12カ国のレストラントネットワークを持つ)は、フランスのレストラン界で活躍する女性五人を選び、彼女たちのここまできた道のり、現状況、課題などを聞いたものをまとめた。
興味深い言葉を引用したい。
「レストラン界での課題はまだまだたくさんあります。バカロレア所得後の料理学校は生徒の半分以上を女性が占めています。しかし男性スターシェフがもてはやされるため、才能ある女性はその犠牲で、自分のレストランを開くことになります。そして彼女たちは自分の店を多くない財政と人材で経営しています。資産調達も女性にとって依然として深刻な問題。それでも進めるところに女性の起業家精神の強さがあります」。
ヴェランヌ・フレディアニ氏。
食や女性をテーマにする映像プロデューサー。
「トップシェフ(料理の上手さを競う人気テレビ番組)ブラジルの優勝者は引き続いて女性なのですよ。それを知るのはいつも嬉しい」。
レベッカ・ロックウード氏。
3月8日から星付きレストラン・アガペのシェフ。
レベッカ・ロックウード (c) agapé
「ママであるから星付きシェフになれないわけではありません。息子は仕事が忙しい私との時間が少しばかり減っても、彼が知るママはいつも幸せなママです。私のレストランに星が付いたとき、最初に喜びの叫びをあげたのは息子でした。子供がいるからといってそれが仕事の妨げになったことはありません」。
コリンヌ・ファウルキエール氏。
マルセイユの星付きレストラン・シグナチュールのシェフ。
シグナチュールの料理 (c) signature
「ワイン醸造学は長い間、男性の仕事と思われてきましたが、女性ソムリエたちは今、受け継がれてきたその概念を変えています」。
エステリヤ・アナノバ氏。
星付きレストラン・コミスのソムリエ。
「ソムリエ界は性別ではなく、その人のスキルと人間性が評価されるようになっています。サービスは人同士の出会いでもあり、この仕事はスキル同様、自発性や人格も大切なのです。自分を信じましょう!」
ロザンナ・ポンニュ氏。
星付きレストランアガペのソムリエ。
レストラン界に男女差別なくなる、ということは、本当に才能ある者が活躍できるようになるということで、すなわち私たちはもっと美味しいものが食べられ、もっと心地よいサービスが受けられるようになるというわけだ。
さらなるレストラン業界の男女平等に期待よう!(ア)