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欧州最新情報「フランス、31万か所の宿泊施設を確保へ。進むウクライナ難民の受け入れ体制」 Posted on 2022/02/27 Design Stories
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以来、多数のウクライナ人が国外脱出を試みている。フランスの報道によると、隣国ポーランドなどに約12万人の難民が到着しているとのことだ。
マクロン大統領は25日、ブリュッセルで開催されたEU首脳会議での演説で、ウクライナ難民の受け入れについて「フランスはその役割を果たすと同時に、この国からの難民を歓迎する」と述べた。
フランスとウクライナの距離はおよそ2,600㎞。今のところ多くの人がウクライナに隣接する西側諸国に入っているが、時間の経過とともにフランスへ流れる難民が増えるだろうと予測されている。
24日以降、フランスの複数の都市が公式に「難民を受け入れる用意がある」と発表した。
今までにリヨン、ナンシー、サンテティエンヌ、リールといった大都市の市長が声明を出している。
現在、フランス国内でおよそ31万か所の宿泊施設が確保されているといい、フランス政府は今後、必要に応じて学校や公的施設の開放も可能である、とした。
個人や民間団体の申し出も増えているため、今後はさらに増加することが予想される。
なお、フランスは2021年8月16日以来、1,500人以上のアフガニスタン人をフランス国内に避難させているが、今回の規模はそれをはるかに上回る。
フランス移民局(OFII)局長のディディエ・レスキ氏は、期間が一時的なものであるか、長期に及ぶのかはまだ分からないが、できるだけ柔軟に対応したいと述べている。
また、マクロン大統領は昨日、ルーマニアとエストニアへの兵士派遣を加速させるとも発表した。近日中にルーマニアに500人、エストニアに200人を配備し、3月からはバルト海へ航空部隊を派遣するという。
「guerre durera, et il faut nous y préparer.(戦争は続く、我々はそれに備えなければならない)」
26日朝、パリの農業フェアに出席した大統領はオープニング演説でこう語り、ロシア・ウクライナ間の戦いが長引くことを匂わせた。(内)