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パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」 Posted on 2022/02/13 Design Stories  

バレンタインデーが間近となった今、パリのブティックはハートのモチーフであふれ返っている。
パティスリーはこの時期のために新作を発表するようになり、コスメブティックも「バレンタインギフト」としてコフレを販売するようになった。
以前は質素だったフランスのバレンタインが、こうして年々賑やかになってきている。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」



もともと、フランスにおけるクラシックなバレンタインデーのスタイルは、男性が女性に赤いバラとともに愛のメッセージを贈る、というもの。
しかし、今ではバレンタイン商戦としてたくさんの業界が名乗り出ており、男性から女性へ贈らなければならない、という構図も崩れつつあるようだ。

それでは「元祖」バレンタイン、赤いバラを売るパリの花屋さんはこの時期どれほど忙しいのか、どんなお客さんを迎えているのか?
コロナ禍にも負けない、最新の花屋さん事情をここでお届けしたい。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」

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モノクロームな日々に彩りを添えてくれ、贈った人も贈られた人もハッピーになるお花。
ロックダウン明けに商店が再開するやいなや、真っ先に花屋さんに向かった、というパリジェンヌもいたほどだった。
ただフランスと日本でちょっと違うのは、男性客が女性客より上回るということだろうか。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」

フランス男性に「なぜ女性に花束を贈るのか」という質問したところ、「文化だから」と返ってきたことがある。
確かにフランスでは、中世以前からブーケを贈る習慣があった。
おじいちゃん、お父さんが妻に花束を贈る姿を見て育ってきたからだろうか、彼らに照れは全くないようだ。

少し興味深いのは、男性が花を買う一番の理由が「プレゼント用」であるのに対して、女性の理由が「自宅用」であること。
なおかつ、パリの花屋さんによると、「贈る理由はさまざまなのですが、ベティーズした時(何かやらかしてしまった時・余計な一言を言ってしまった時)や、夫婦喧嘩の仲直りとして花束を買い求める男性が多いです」とのことだ。

花屋さんはメッセージカードも代筆して書くため、男性がどんなシチュエーションで女性に花を贈るか分かってしまうという。
「ごめんね」の花束が一番多い、という事実は意外でもあり微笑ましくもあった。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」



しかし、バレンタインデーはそんなうしろめたさがない、純粋な愛を花束と共に贈る日だ。
この時期の主役はやはり真っ赤なバラ。
世界中で赤バラの値段が高騰するため、バレンタインデー近くになると、普段は1本4€のものが6.5€(約850円)まで跳ねあがるとのこと。

それでも、伝統的に「愛」を象徴し、高貴でシンプルな赤バラの人気は衰えない。
実際にパリの花屋さんを訪れた時も、最愛の人に贈るのだろうか、仕事帰りの男性がミモザの花束に一輪の赤バラを添えて購入していたのが印象的だった。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」



パリの花屋さんによると、1年で一番忙しいシーズンは母の日だという。
次いで、クリスマス・年末年始は二番目に忙しい。自宅で会食をしたり、お呼ばれの機会が増えるため、多くの人がブーケを買い求めるそうだ。
そしてその次に来るのがバレンタインデーだそうで、この時期の花屋さんはどこも活気づいている。

しかし、花屋さんはかなりの肉体労働だ。生花を扱うため冬でも暖房はつけられず、手先は水仕事で傷んで、ボロボロになってしまう。
それでも「やりがいがあって達成感もありますよ」と語るパリの花屋さん。
話好きでお茶目なマスターも多く、コンクリートに覆われたパリのちょっとしたヒーリングスポットとなっている。

パリ最新情報「バレンタインデー間近、大忙しのパリの花屋さん事情」



コロナ前に比べ、花屋さんはイベント会場や結婚式のデコレーションをする機会が少なくなってしまった。
代わりに、今までより店頭で接客する時間が増え、多くの人と触れ合うようになった。
そしてそれはフローリスト自身にも「花が大好き」ということを再認識させてくれ、仕事がますます楽しくなったという。

肉体的にどんなに辛くても、プロに「楽しい」「好き」と思わせる花のパワーはやはりすごい。パリの花屋さんには、これからもたくさんの笑顔を届けてほしいと思う。(セ)

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