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パリ最新情報「フランス、コロナ緩和策発表へ。ワクチンパス導入も」 Posted on 2022/01/22 Design Stories
1月20日夜、フランス政府は定例会見で、現在導入されているコロナ対策措置を2月2日より段階的に軽減すると発表した。
つい先日には新規感染者数が過去最多となる46万人を記録したフランス。
しかし集中治療室でコロナ患者が占める割合が下がってきたことなどを受け、ジャン・カステックス首相は「オミクロン株の流行はピークを過ぎつつある」と言及した。
週明けの24日(月)から始まるフランスの新しい対策は以下の通りである。
・1月24日よりワクチンパスポート導入開始
これまでは、ワクチン接種をしていなくても「衛生パスポート」(24時間以内に行ったPCR検査の陰性証明等)があれば飲食店・文化施設などに入れたが、これをワクチン接種者のみに絞った「ワクチンパスポート」に変更。対象は16歳以上すべてのフランス国民で、12〜15歳の者だけ衛生パスポートを続けて使用できる。しかし、病院や医療施設でのワクチンパスポートは不要とした。
フランス政府はまた、度重なる抗議デモや一部国民の声を鑑み、「病院の逼迫度が下がり、新規感染者数が大幅に減った時点で打ち切る」とも述べている。
・2月2日よりテレワーク義務、コンサート会場などの人数制限を解除
年明けより週3回以上のテレワークを「義務」としていたのを「推奨」に変更。
劇場、映画館、コンサート会場、スタジアムなど人の集まる場所に対する収容人数制限も解除される。スポーツ施設もマスク着用を条件に人数制限を設けない。また、この日から屋外でのマスク着用も義務ではなく任意となる。
・2月16日よりナイトクラブ営業再開、カフェやバーでも立食可能に
昨年12月から営業停止となっていたナイトクラブの営業が約2か月ぶりに再開となるほか、カフェやレストランのバーカウンターでの「立ち飲み」が再び可能に。公共交通機関内や映画館、スタジアム内での飲食もできるようになる。
・学校でのコロナ対策は冬休み後に持ち越し
先日、大規模な教員ストライキが起こったことから、教育機関におけるコロナ対策は2月の冬休みが終わってから新たに発表するとした。小学校でのマスク着用義務の解除などが再検討される見込み。
オミクロンとともに明けた2022年だったが、フランス政府はここで「緩和」へと舵を切った。経済活動を優先するフランス、今回の会見では国民の不満を汲み取るがごとく、かなり配慮した内容であるのが印象的だった。(オ)