欧州最新情報

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」 Posted on 2022/01/21 Design Stories  

 
パリという街は、これまで数えきれないほどの映画や小説、ドラマの舞台になってきた。
『ミッドナイト・イン・パリ』『アメリ』『ビフォア・サンセット』『最強のふたり』などなど、思わずパリマジックにかかってしまう作品は枚挙にいとまがない。

最近ではNetflixドラマの『エミリー、パリへ行く』が世界的なヒットとなったが、地元パリジャンからは「クリシェだ!(cliché=ステレオタイプ)」といった声が上がり、パリの「過剰演出」を残念がる人も少なくないようだ。

そびえ立つ歴史的建造物、美食レストラン、犬の落とし物、スリの多さetc…
メディアが伝えるパリは、時にはリアルで、時には「現実とちょっと違う」なんてこともあり得る。
では、実際のパリジャン・パリジェンヌは自分たちが暮らすパリをどう捉えているのか?
2022年1月にパリの情報誌Le bonbonが伝えた、『私たちがパリを愛する50のこと』をもとに、等身大のパリの良いところ(ちょっと残念なところも)をここでご紹介。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」



 
メトロの構内で素晴らしいストリートミュージシャンに出会うことがある

頻度は高くないものの、時として素晴らしいストリートミュージシャンに出くわすことがある。
パリの地下鉄構内にはそんなミュージシャンが集まっていて、通勤途中で思わず足を止めてしまうほど素敵な演奏を聴くことができる。

コロナの影響で長く演奏が禁止されていたが、去年の夏から地下鉄に音楽が戻ってきたのは、ちょっとした喜び。(パリ交通公団は審査の後、正式に許可を出している)
他にもパリのあちこちで路上ライブが行われていて、そんな市の寛大さが誇らしい。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」



 
何といってもルーブル美術館!

大小含めて約200の美術館があると言われているパリ。
自分が暮らす地区には必ず美術館があって、定期的に開かれるエクスポジションは面白いものばかりで飽きない。
そんな中でも、ルーブル美術館は別格!
実は行ったことがない、もしくは学校の課外活動で一度きり…といったパリジャンもいるが、「人類の宝」とも呼べる名作が所蔵されているのはやはり素晴らしいこと。

夜遅くタクシーで帰り、点滅したライトで光る雨上がりの石畳にハッとする

パリジェンヌはヒールを履かない。
なぜなら、石畳の道が多くてヒールがすぐダメになってしまうから。(ヘビロテはもっぱらスニーカー。)
それでも、少しお酒が入った遅い時間にタクシーを待っている時、その点滅したライトで浮かび上がる石畳の美しさに見入ってしまうことがある。
雨上がりの濡れた石畳は特に芸術的で、これまでたくさんの画家が絵に描いてきたのも納得がいく。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」

地球カレッジ



 
リヴォリ通りを自転車で駆け巡る時

かつて車であふれていた道路を、自転車がすいすいと走り抜けるパリの街。
リヴォリ通りは、コンコルド広場からサンポールまで続く一本道で、沿道にはパリの歴史遺産が多く存在する。
2020年5月から一般車の走行が全面禁止となったので、自転車利用者にとっては天国のような道である。
朝日を浴びながら、コンコルド広場、ルーブル美術館、パリ市庁舎といった歴史遺産を横目に走り抜ける…パリで生まれ育った人にも「最高!」と言わしめる、新しい出勤スタイルだ。

公園で1人読書をし、人生を謳歌している人に出会う

パリには公園がたくさんある。
お昼休みや日曜日などは、緑のベンチに座って友人や恋人と語り合う姿をよく見かける。
そしてそれと同じくらい、1人で読書をしている人も多い。
スマホを触るわけでもなく、1人の時間を楽しんでいる人を見かけると、ちょっと笑顔になる。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」

 
冬、カフェのテラスで大好きなショコラ・ショーを飲んでいる時

地方の人からは「パリジャンは気温0℃でもテラスでコーヒーを飲む」と揶揄されることもあるけれど、やっぱりテラス席が好き。
特に冬のショコラ・ショー(ホットチョコレート)は欠かせない!
カフェの店員さんとは顔なじみで癒されるし、例え喫煙者でなくてもテラスに座って冬を楽しみたい。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」



 
25平米以上のアパルトマンに引っ越して富を知る

パリの物価は世界で2番目に高い。
もちろん家賃も目が飛び出るほど高い。
給料の半分が家賃で、残りの半分は食費と交際費に消えていく…なんてことは独身世代には当たり前。
そんなパリジャンが25平米以上のアパルトマンに引っ越せた時、ようやく「生活が安定してきた」と感じる。(30㎡の平均賃料価格は1200ユーロ=約15万6千円、それが築数十年であっても)
この街では、シングルでも、免許がなくても、例え30代で持ち家がなくても平気だが、それでもいつかは愛する家族と暮らす、郊外の庭付き一軒家が欲しい。
そのために仕事を頑張るのだ。
 

パリ最新情報「パリジャンが思う『等身大のパリ』とは?その内容が明らかに」

 
良いところも悪いところも含めて、何かと注目されるパリ。
50の項目すべては掲載できなかったが、現代のパリジャンが思う「等身大のパリ」はリアルで、在仏者としても頷けるものが多かった。
古いものを残しつつ、新しいことにも挑戦するパリの今を、これからもお伝えしていきたい。(聖)
 

自分流×帝京大学