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リサイクル料理教室「世界一美味しい焦がしバター、ブール・ノアゼットの簡単な作り方」 Posted on 2022/11/23 辻 仁成 作家 パリ
日本のフレンチレストランでも、魚料理などに、ブール・ノアゼット・ソースというのがかかって出てきます。
でも、それは透明のソースで、とっても香ばしくて、美味しいのですけど、これの先に行くと、クリーム状の焦がしバターが出来るのご存じでしたか?
「ブール」とは仏語でバターのこと、ヘーゼルナッツはノアゼットです。ヘーゼルナッツ・バターのことなんです。
これが解けたものがソースになりますが、実は、辻家では、もうひと手間かけて、とろけるバターにしちゃっています。最高ですよ。
日本のネットで調べたら、あまり、載ってないので、ここは父ちゃんがめっちゃ美味しいヘーゼルナッツ・バターの作り方をご教授しますので、ぜひ、お試しください。
※ チャールズさん。ご自宅で教えてもらいました。「ヘーゼルナッツバターなんだけど、ヘーゼルナッツは使わないんだよー。なんとなく、ヘーゼルナッツの香りがするんだ」
ぼくの仏人シェフの友人、チャールズさん(星付きシェフ)から直接習った物凄い技なので、真似してみてください。
ようは焦がしバターですが、それがヘーゼルナッツみたいな色になるので、フランスではこれをヘーゼルナッツバター、つまり、ブール・ノアゼットと呼んでいます。
無塩バターを使いますね。量はお好みで、どうぞ。ぼくは150gくらいでやってみます。
小鍋にいれ、火にかけます。
※ 乳脂肪と油とに分離して、底の方がキャラメリゼされ、ちょっと焦げ付いてきます。焦げ付かせ過ぎないように、注意。でも、チャールズの奥さんは、そこが美味しいのよね、ちょっと焦げるくらいが、と横やり意見! そうかなァ、とチャールズ。夫婦でちょっと意見が割れています。そのくらい作り方には様々な方法が・・・。
弱火から中火のあいだです。全部溶けると、ぱちぱちと音がします。
焦がし過ぎないように注意しながら、しばらく火を入れると、だんだん、溶けたバターが色づいてきます。
香りも気のせいか、キャラメルとか焦がしたヘーゼルナッツのような香りになってきます。鍋のそこに焦げ付くような感じが出てきますが、焦がし過ぎないように温度を調整してください。
ここらへんはかなり弱火にしましょう。
で、今度は、ステンレスのボウルなどに、上澄みの透明な溶けたバターを移します。ろ過してもいいですよ。焦がしバターです。今度はそのボウルを冷蔵庫などで冷やして、固めるのです。固まったら、ここからが大勝負。
ハンドミキサーで固形化したブールノアゼットを緩めて、生クリーム状になるまでやります。
この時、フラードセル(塩の華)を一つまみ、投入してください。
生クリーム状になったら、お皿にうつします。
田舎パンとかに塗って食べると、ううううううううう、ひっくり返るほどに美味いです。
これはマジ、世界一のバターの誕生です。ぜひ、お試しあれ!!!
ボナペティ!!!!!!
つづく。