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退屈日記「息子の学校の25%が陽性者に、息子を検査場に連れて行った」 Posted on 2022/01/08 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランスの学校が大変なことになっている。
感染者が爆増し、各学校で遠隔授業が余儀なくされている(公立と私立ではやり方や時期が異なります)。
息子の学校も先週からZOOMによる遠隔授業が行わるようになった。
というのも、息子曰く、生徒の25%がオミクロンに感染して休んでいるからだという。
これは想像を超える数字で、生徒4人に1人という確率なのだ。
それで、「パパ。ぼくも罹っているかるかもしれないから」と訴えられたので、とりあえず自宅で一度テストをし、(陰性)、そのあと、専門薬局に行ってテストを受けさせたが、幸いなことに(陰性)だった。
薬局は、朝から長い行列が出来ており、仕事とはいえ、薬局も大変な状況で、そのほかにも街角に検査場があるので、ワクチンを接種している人たちは、無料で受検出来、結果はメールで知らされる(息子も受検後、15分ほどで保健省から登録したメールアドレスに結果が知らされた)。
ともかく、学校の4人に1人がコロナ感染者という現実はかなり厳しいが、毎日、30万人超の感染者が続いているので仕方がない。
それでも、濃厚接触者が陰性の場合は隔離が不要になり、仕事もできるというシステムにフランスは舵を切った。
というのも、これだけ感染者が増えてしまうと、陰性の濃厚接触者まで隔離をせざるをえなく、社会が回らないのである。
これは、今日の沖縄からのニュースで、同じことが書かれてあった。



沖縄タイムスによれば、濃厚接触者は14日間の行動自粛が求められ、その結果、企業や福祉施設、学校、行政機関に大勢の欠勤者が増え、業務に支障が生じているのだという。
県民の皆さんの生活を直撃している。
しかし、オミクロンの感染力を考えると、ますます、陽性率はあがるだろう。
たとえば、感染者1人に対して、4,5人濃厚接触者が出るといわれているが、フランスの経済が止まりかけたのは事実で、実際、学校は遠隔授業に替わったのはいいが、行政機関や病院や運送業務などで大きな問題が出て、もしも、経済が崩壊をすれば、オミクロンを封じ込めるどころではなくなるので、欧州各国では、その辺の線引きが今、政府首脳の頭を悩ませている大きな問題点なのである。
英国はコロナと共に生きる社会を早くから模索してきた。
サッカーの試合などがマスクなしで観戦でき、ゴールが決まるたびに場内は異常な熱気と飛沫が飛び交う。
それでも、それがいいかどうかは何とも言えないけれど、ジョンソン政権はフランスのような厳しい政策をとらずにきた。
あるいは、コロナ社会は曲がり角に来ているような気がする。
今後の変異がどっちに転ぶかわからないので、安易な意見は言えないけれど、ロックダウンのような厳しい生活規制をすることだけが、今後の最善策だとは思えなくなってきたのも事実じゃないか。
withコロナ政策を進める英国も20万人以上の感染者が出ているが、今までの倍々ルールならとっくに100万人を超えているはずだ。そうならない何か理由があるのか、ないのか、・・・。
この理由を科学的に早くしめしてもらえると安心できる。
長いこと、南アで出現したオミクロンの状況が報じられてこなかったけれど、昨日、WHOが「オミクロンは軽症だという多くの証拠が出てきた」と発言をした。
もしかすると、早い時期からわかっていたのだけど、ここまで引っ張ったのは、軽症と言い切ってしまうことの危険性を鑑みたからかもしれない。
それは大いに理解できる。
ともかく、まだ多くの謎が潜んでいるし、南フランスで見つかった新たな変異株も、数日前にイスラエル紙にすっぱ抜かれ、しぶしぶフランスのメディアもその存在を伝え始めたが、正直、フランスの科学者の中にはこの発見に懐疑的な人もいる。
今後も、新たな株が次々に出てくる可能性があり、一部の専門家が希望するように、コロナの収束が見えていると言い切るには早い気もする。

※、内容に関して新しい情報が入り次第、修整を加えていきます。



一方で、多くのメディアは感染者数ばかりを報じているが、重傷者数や死亡者数とのバランスや、何が起きているのかを科学的根拠で示す努力も必要なのじゃないか。そうじゃないと、不安ばかりが独り歩きし、被害を受ける事業者、しいては世界各地の国民にもその打撃が飛び火するだろう。
この2年を振り返ると、わからないからこそ、用心をしてきたことは評価できるにしても、いまだに、数字と対策のない方針を提案する世界各国の付け刃的なやり方では、コロナと共存せざるをえないこれからに、不安を覚えてならない。
さて、コロナ社会の曲がり角、人類はどの道を選ぶことになるのだろう。
息子は月曜日の朝に、再び薬局で抗体検査を受け、陰性が証明されたら、翌日、火曜日に学校に試験を受けに行くことになっている。毎回、陰性証明が必要な子供たち、実に厄介な世界なのである。

退屈日記「息子の学校の25%が陽性者に、息子を検査場に連れて行った」

※ 息子のテストの後、薬局で、コロナウイルスをきわめて通しにくいとされる最強マスク、FFP2、が安売りしていたので、思わず5箱も買った。ほかにも、除菌シート、コロナ検査キットなど、第六波をやり過ごすための必需品を手に入れた。



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