某月某日、地球カレッジのオンラインツアーガイド、全力でやり切った、父ちゃん・・・。ふー。
2時間、フルでシティ・ガイドやることができ、今年、最後を飾るに相応しいオンラインツアーだった、と自負していたら、スタッフの一人に、
「さすが、口から生まれた仁成さん」
とからかわれ、大爆笑で締めくくった地球カレッジでもあった。
ご清聴ありがとうございました。

その後、オペラ地区のうどん屋「国虎」に移動し、野本シェフの世界一の「国虎うどん」を頂き、スタッフに「良い年をね」と言ってわかれた父ちゃん、オペラで車を拾おうと歩いていたら、いつも大行列のケーキ屋、「セドリック・グロレ」に珍しいことに人が並んでない・・・。セドリックは、今、世界一のパティシエと言われている天才で、買いたくても、長蛇の列だから、絶対買えず、ぼくもいまだ未経験の大スターパティシエなのであった。
しかし、今日は誰も並んでいない！！！
そんなこともあるのか・・・。
警備員さんに訊いたら、クリスマスイブの夕刻で、もうみんな予約したケーキを取りに来て帰った後だ、という。
覗いたら、小さなケーキが三つしか残っていなかった。
「どれにしますか？」
「これで終わり？　ブッシュ・ド・ノエル（ロール状のいわゆるクリスマスケーキのこと）はないよね、まさか」
と言うだけはタダなので、言ってみた父ちゃん。
サンタ帽をかぶったお姉さんが、
「ヘーゼルナッツのなら、ありますね」
と信じられないことを言った。マジか・・・。
「ください」

もう何年も、苦々しい想いで食べることが出来ずにいたセドリック・グロレ氏のブッシュ・ド・ノエルを、まさか、クリスマスイブの夕刻にゲットできた父ちゃん。
思わず、天に向かって、神様、何たるご褒美、メルシー僕、と呟いてしまったのである。
（値段も聞かなかったけど、さすが世界一、80ユーロ（一万円以上）もした。しかし、地球カレッジで力を使い果たし、クリスマスイブなのに、何もクリスマスディナーを用意できていなかったのだから、こ、これは神の思し召しかもしれない・・・
ケーキを抱えて、喜んでもらえると思って、スキップしながら家路を急いだ父ちゃんだったが、・・・
「え、ケーキ？　いらない。ごはんがいい」
とそっけない返事・・・。
やれやれ。
仕方ないので、クリスマスツリーの前で、一人で食べた父ちゃんなのだった。じゃじゃじゃじゃーん。
ただ、はっきりと言わせてもらおう、この人は天才である。

※　セドリック、写真がひどくてごめんね。
これ動画から、抜いたので、写真じゃないのだ、静止画像、笑、・・・でも、味は未知の出来栄えで、大満足。

甘すぎず、控えめながら、今まで経験したことのないヘーゼルナッツクリーム感、永遠に消えない幸福感と、いつまでも忘れられない贅沢な味であった・・・。
さてと、夕飯はどうしよう・・・。
買い物をする時間もなかったので、食べるものがないのだ。あはは・・・。
クリスマスイブの夜なのに、何もない・・・。
うどん屋を出る時に、野本に「これ、残り物やけど」と手打ちうどんを手渡されていた父ちゃん。
お、じゃあ、焼うどんにでもするか・・・。
え？　辻仁成がクリスマスイブの夜に焼うどん？
ということで、今日は疲れたから、明日、クリスマス料理はトライすることにして、今日は、焼うどんで腹いっぱいになった、辻家の二人であった。

「クリスマス、なんかあるの？」
「ないよ」
「うちにいるの？」
「いるよ。フランス人はみんな家族と過ごすんだよ」
「そうだね。おれら家族だもんね」
苦笑する、父ちゃん。
焼うどんをバクバク食べる息子君。
「うまいの？」
「うん」
これが辻家のクリスマスイブの現実なのである。
地球カレッジで、ギャラリーラファイエットやヴァンドーム広場の宝石街をジバンシーのAラインコートを羽織って闊歩した父ちゃんは、ここにはいない。
ジャージに着替えて、フライパンを振り回し、キッチンを油まみれにして焼いた国虎のうどん、でも、うまかったなァ。（写真は撮り忘れた、えへへ）
野本、ありがとう。おかげで、辻家、あたたくなったよ。

気が付くと、2021年は残り、数日ということになっている。
フランスの感染者数、今日一日で94000人に急拡大した。ロックダウンをしてもおかしくない状況で、周囲でも、感染者が増えている。
それも、オミクロン株が猛烈な勢いで拡大をしている状況なのだ。（詳しくは、この後,、欧州最新情報でまとめたいと思います）
ということで、家でおとなしく、日記を書いて過ごす、おとなしい年末になるだろうな。
「めりくり」
父ちゃん、小さな声で、皆さんに伝えておきます。
・・・幸せなクリスマスの一日でありますように！
🎄

※　焼うどんは撮り忘れたけれど、地球カレッジの後にたべたこの国虎うどん、美味しかった。