某月某日、ガタガタ、なんか音がする。と、ピンポーン。来た！　
カイザー髭に違いない。ぼくはガウンを羽織って、階段を下り扉をあけた。お、見知らぬおっさんが立っている。
「ええと、保険屋のものですが」
「あ、うちの？　この間、水漏れの件は電話で解決しましたけど」
すると、お隣のカイザー髭さんの扉が開いて、中から、ハウルの魔女が顔をだした。
「ムッシュ、ツジー、こちら、ここの屋根の保険屋さんよ」
「ああ、屋根ですか」とぼく。
台風で、屋根の一部が飛んで、水漏れし、うちの仕事部屋の屋根に罅が入ったのは、前の日記で書いた通り。それは電話で解決したのだけど、この人は、ふっとんだ屋根本体の保険屋さんなのであった。
そこにカイザー髭が登場し、
「ツジさん、大丈夫だから、休んでいて。わしらで、話しをします。たぶん、保険屋が出せない部分を、住民で割る感じになるからね」
マスクをしているので、よくわからないけれど、自慢のカイザー髭を剃ってしまった、あんなに貫禄があったのに・・・。カイザー髭はもう普通のおじさんになってしまった。
あの自慢の反りあがった凄い髭を、剃るの前に撮っておきたかった・・・と、その横で、頷いているハウルの魔女・・・。
おお、ハウルさんの写真はまだ撮れる！！！

カイザーご夫妻は保険屋さんと屋根が良く見える通りの反対側で話し合いをしていた。上から様子をうかがうムッシュ・ツジー。
最初は妖怪のように、怖い存在に思えた二人だったが、一年経ってよくわかったのは、心の優しいおじいさんとおばあさん（お孫さんがいるのだ。夏休みはお孫さんを預かって面倒をみている。身体が持たないよ、と嬉しそうに弱音を吐いていたカイザーは素敵なグランドファザー）なのであった。

ぼくは午後、歌の練習をし、それから、ライブに向けて運動をやった。
ジャージを着ていたので、前の日記で約束をした「座りジャンプ」（正座をし、両手を後ろで組んで、手を使わないでそのままジャンプをして立ち上がる）をやってみることにした。これが出来ると体内年齢は18歳らしいのだけど、太ももの筋肉が鍛えられるので、今日は十数回、ジャンプしておいた・・・。暇？
みんなが「出来るわけないじゃん、62歳なのに」というので、悔しいから携帯で撮影をして、その口の悪い仲間たちに送ってやった。（誰からも返事がない。悔しいのかな？　笑。ただ、足腰に自信のない人は絶対まねしないでくださいね。大けがをしますから）
ということで、さっき、インスタにアップしたので、よければ・・・えへへ👇

そのまま運動をして、油菜炒めと明太子焼きめしを作って食べて、ごろごろしていたところに、浜辺で知り合った韓国人とフランス人のご夫妻から、もし、こちらにいるなら明日とか遊びに来ませんか、とお誘いの連絡があった。
前回、手作りキムチを貰ったことを思い出し、
「今回は、ぼくんちにどうぞ」
と余計なことを言ってしまった父ちゃん。
（ってか、また辻食堂をオープンしたかったので、ちょうどいい獲物の登場となった。えへへのへ）
「え？　いいんですか？　でも、辻さん、忙しいのに、いいの？」
「なーんも、ぼく、料理好きだから、へっちゃらですよ。レストランに行く気持ちでお立ち寄りください」
「わ、嬉しい。じゃあ、夫に聞いてみますね」
30分後「伺います」という返事。
ガッツポーズ（？）の父ちゃん。←は？　やっぱ、コの字型のカウンターはそのために拵えたんじゃーーん。と、息子の声が聞こえた気がした・・・。
ただし、さすがに知り合ったばかりの人だし、いきなりＮＨＫの番組には登場させられない。ここは、完全な趣味で料理を作る。
ということで、昨日に引き続き、父ちゃんは、るんるん、と買い物に出かけたのであーる。もちろん、買い物に行く途中の道すがら、フルコースの献立を考えながら、・・・。
「さーて、何を作ったろうかなぁ」

実は、昨日から仕込みだしたグーラッシュ、明日が食べごろなのである。
一キロの頬肉で作っているので、彼らが食べる分は十分にある。
それを、ちょっとアレンジし、メインにすることはすんなりと決定・・・。
漁港の岸壁に出る魚屋を物色した父ちゃん、それから畑に出る八百屋に行き、それからスーパーでワインなどを買い込み、それから、それから、それから・・・
ということで、明日の主なメニューが買い物の途中で決定したので、ここに、発表させて頂きます！！！
１，アミューズ、鯖の棒寿司
２，前菜１、茄子の欧風田楽
３，前菜２、鯛のこぶ締めカルパッチョ、オレンジ塩と鱒卵載せ
４，メイン１、博多明太子の和風生スパゲッティ
５，メイン２，牛頬肉のパプリカと柚子胡椒煮込み
６，デザート、ほうじ茶のブランマンジェ
だいたい、こんなものかな・・・ふー。（明日の日記が楽しみですね・・・くくく）

ということで、現在、絶賛仕込み中なのであーる。
明太子パスタ以外は今夜、この日記が書き終わる頃には、出来上がっているので、明日は出すだけ・・・ふー。←何しとっとや、毎回・・・。
体内年齢18歳の父ちゃんが、英知を絞って作った料理で、新しい友だちたちをもてなす。
これは、最高の若返り健康法なのである。
今年は多くの仲間を失った一年だったので、こうやって新たに親しくなった若い友人（たぶん、彼らは45歳くらい）らに、新しい愛を貰って頑張るしかない。
え？　ぼくの年齢？　彼らには、47歳と言ってるけど、なにか？？？　
・・・問題ありますでしょうか。年齢詐欺？

さりげなく、つづく。