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パリ最新情報「パリで一番大きなクリスマスマーケット、チュルリー公園」 Posted on 2021/11/25 Design Stories
クリスマスまであと一か月。フランスはこの時期が1年で一番盛り上がる。
パリでは街中がクリスマスムード一色となり、大きなツリーやサンタクロースのモニュメントがあちこちに現れた。
寒波が襲っているのか、パリの最高気温はこのところ日中でも5度前後と冷え込む日が続いている。しかし、そんな寒さもなんのその、夜にはイルミネーションが美しく輝き、道行く人が笑顔で見上げる光景が常となった。
もう一つ楽しいイベントといえば、「マルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)」がある。ヨーロッパの冬の風物詩ともいえるクリスマスマーケットだが、地方や国でも少しずつ特徴が違う。
パリではサンジェルマン・デ・プレやモンマルトル、副都心のラデファンスといった場所に設置され、毎年多くの人で賑わいを見せている。
去年はコロナのため中止となったが、今年のパリでは全てのクリスマスマーケットが開催されるという。
そのなかでも一番規模の大きいのが、パリ1区にあるチュルリー公園のマルシェ・ド・ノエルだ。スタート直後の様子をここでお届けしたい。
以前はシャンゼリゼ通りで同マーケットが開かれていたが、パリ市が主催者側との契約をやめたため、2018年からは場所を変えてチュルリー公園での開催がスタートした。
ということで、今年が3回目となるチュルリー公園のクリスマスマーケット。
テーマを「クリスマスの魔法」とし、合計で100近くの出店が並んだ。
子どものために土日は無料で人形劇が開かれ、約50メートル近い大きさの観覧車や、1200平方メートルの広さのアイススケートリンクも設営されている。
たくさんの屋台にミニ遊園地、アトラクションと、家族連れにはもってこい。
パリ手工業会からは18人の職人と14人のクリエーターがそれぞれの作品を出品し、マーケット全体の8割が「メイド・イン・フランス」となった。
例年は200万近くの人が訪れるそうだが、今年は極寒&コロナ第5波の影響もあって人出は少なめ。パリジャンからすれば「いつものこと」といったクリスマスマーケットも、こうして無事に開催されるとやはり嬉しいものがある。
旅行客は近隣諸国からがほとんどで、主催者側は特にアジア、アメリカからの観光客に早く戻ってきてほしいと願っているようだ。
そして、目玉はグルメ屋台。日本の縁日のような感覚で、フランス20地域の食が集まった。フランスのクリスマスマーケットでは、タルティフレットやラクレット、ソーセージ、生牡蠣、エスカルゴといった屋台メニューが並ぶ。
名物のヴァン・ショー(ホットワイン)片手に、食べ歩きするのもクリスマスマーケットの醍醐味だ。
なお、チュルリー公園のクリスマスマーケットは開催期間が長いことでも知られている。
今回は11月20日から2022年の1月2日まで、約1か月半にわたってパリの街を彩ることに。
今後パリの中心的なクリスマス市になるであろう、チュルリー公園のマーケットに注目がどんどん集まっている。
最後に、チュルリー公園から徒歩で行けるシャンゼリゼ大通りのイルミネーションをお届けしたい。
毎年恒例となっているシャンゼリゼのイルミネーションは、アンヌ・イダルゴ市長立会いの下、11月21日に点灯式が行われた。
「持続可能」「節電」をモットーに、実は過去4年間同じ電球が使用されているという。
クリスマスイブと大晦日は一晩中点灯され、来年の1月9日まで続けられる。
イルミネーションでさらに輝きを増した、「世界一美しい大通り」シャンゼリゼ。
チュルリー公園のクリスマスマーケットとセットで散策すれば、パリの伝統的なクリスマスを一気に味わうことができる。
寒くてもこのように明るいクリスマスが似合うパリ、去年のような暗さが2度と戻らないことを願う。(セ)