欧州最新情報
パリ最新情報「一足早くお届け!パリのクリスマス風景2021」 Posted on 2021/11/19 Design Stories
11月も半ばになり、クリスマスの足音が聞こえだしたパリ。
コロナ禍1年目の昨年に比べて、街の雰囲気は随分と和やかになった。
現在は「第5波」を警戒しつつ、ある程度の日常を楽しんでいる、といった感じだろうか。
しかしパリではそんなモヤついた雰囲気を一掃するかのようにイルミネーションが灯され、だんだんと華やかな雰囲気になってきた。
先週からは大型デパートのクリスマスデコレーションも続々と開幕。
ショッピングスポットが一番の盛り上がりを見せる時期ともあって、歴史あるパリのデパートたちは一層活気づいている。
そのきらびやかな姿を、パリを代表する4つのデパートからお届けしたい。
マレ地区にあるBHVは、ハイブランドだけでなく日用品や文房具、DIYグッズまで何でも揃うデパートとしてパリジャンに人気が高い。
今年のテーマは、「スイス」。これは、在仏スイス大使館とのコラボにより実現したもので、トロッコやスイスウォッチ、白山羊、マッターホルンのグッズなど、スイスらしさ満点のディスプレイを楽しむことができる。
クリスマス期間中はチーズフォンデュのテイスティングや、スイスのチョコレートメーカー「リンツ」が提供するイベントも実施。
ちなみにBHVはクリスマスプレゼント用のラッピングコーナーも充実していて、DIY色が強い。他のデパートとは少しテイストが異なるのも特徴だ。(フランスではギフトを自分でラッピングする習慣がある)
そして、今年6月に再オープンを果たしたパリ1区のサマリテーヌ。16年の荒波を超えての華々しい開店が話題となった。
再開後初めて迎えるクリスマス、テーマは「パリジャンガーデン」。パリの美しい庭園をイメージしたデコレーションで訪問客を迎え入れてくれる。
アール・ヌーヴォーの建築とイルミネーションが不思議とマッチしていて、しっとりとした雰囲気も魅力的だった。
サマリテーヌのメインともいえる吹き抜けの階段部分には「アドベントカレンダー」があしらわれ、12月1日から24日まで毎日サプライズで何かしらのイベントが企画されている。
期間中は「森の妖精」に扮したシンガーも登場し、館内のいたるところで「La vie en rose」を披露。訪れた人から大きな拍手を浴びていた。
そしてサマリテーヌでは、12月25日まで限定スイーツも販売。パリの庭園をテーマにした「スノーウィーガーデン」という名前のケーキをはじめ、バニラやマロン味の特別なスイーツが立ち並ぶ。
「パリで最小にして最大のコンセプトストア」を謳うサマリテーヌ、その建築と同じようにとても美意識の高いクリスマスとなった。
老舗デパートのプランタンでは、毎年恒例のクリスマスのショーウィンドウが11月10日に開幕した。
音楽と華麗なディスプレイで道行く人を楽しませてくれるプランタン、今年のテーマは「小人たちのサプライズ工場」。
サンタクロースのギフト工場が吹雪で動かなくなり、代わりに世界中の小人たちが力を合わせてプレゼントを作り出す…という可愛らしいストーリーだ。
合計8つのショーウィンドーには「郵便工場」や「グルメ工場」、「シャネルの開発工場」などがディスプレイされ、見事な世界観が展開されていた。
これには子供たちも大喜びで、ショーウィンドーに張り付く姿も。コロナ禍の煩わしさが一気に吹き飛ぶ、温かい光景だった。
そしてパリのクリスマスで外せないのが、ギャラリーラファイエット本店のクリスマスツリーである。
毎年恒例とはいえ、天井から吊るされる巨大なツリーは圧巻の一言。
今年のギャラリーラファイエットのテーマは「1、2、3、ノエル!」。クリスマスツリーには宇宙飛行士に扮した、巨大なサンタさんがヒーローとなって現れた。
宇宙観の入ったシュールなサンタクロースは、ギャラリーラファイエットとアトリエ・Bournillatのコラボによるもの。
実はフランスは、宇宙産業が盛んなことでよく知られている。
11月9には宇宙飛行士のトマ・ペスケ氏が地球に無事帰還したこともニュースで取り上げられた。そうした「宇宙人気」にあやかった、ギャラリーラファイエットならではのユニークな演出であった。
パリのあちこちがイルミネーションで美しく染まり、クリスマスマーケットもちらほらと姿を現した。一番ロマンチックで幻想的なパリのこの時期、来年こそは世界中の旅行者の皆さんと共有できることを願う。(内)