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パリ最新情報「三回目のワクチン接種しない65歳以上の人の衛生パスが無効に」 Posted on 2021/11/10 Design Stories
マクロン仏大統領が9回目のテレビ演説を行った。
世界はまだまだコロナ禍を脱出しておらず、フランスではこの1週間での新規感染者数が40%上昇、ヨーロッパはコロナ第5波に襲われている、と宣言した。
その上で、ワクチン接種の大切さを改めて説明。
未接種者(約600万人)に対しては接種を促し、接種者に対してはワクチン接種から6ヶ月経つと免疫力が下がるとし、2021年12月15日より65歳以上の人に対し、衛生パスを更新するためには3回目のブースター接種が義務になることが発表された。
また、コロナの入院患者の83%を50歳以上の人が締めているとし、12月上旬からは50歳以上64歳までの人に対し3回目の接種キャンペーンが始まる。
加えて、ワクチンだけではコロナを完全に防げるわけではなく、一人一人の予防措置が大切であることを改めて訴えた。
コロナ以外で大切な発表は経済、失業について、特に、原発の再建設などを打ち出した。
移民問題に端を発し、かなり右寄りの政治勢力の台頭が拡大する、フランス・・・。
中国やロシアを意識し、アメリカとの関係にも言及し、右派の切り崩しの意図も微かに感じられる、強く海外を意識した演説でもあった。
それにしても、フランスでは、この12月から、65歳以上の人が3回目のワクチン接種をしなければ衛生パスが発行されないという世界が不意に目の前に出現することになる。
ドイツ、英国で第5波による強い影響があることを念頭にいれつつ、同時に、来年の大統領選を意識する印象もぬぐえない大統領の思惑を感じる演説でもあった。
コロナ問題から、失業、世界情勢への強い言及を含んだこの演説が、フランスの国民にどのような反応を巻き起こすのか、が気になる。
さて、フランスよ、どこへ行く。(上)