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パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」 Posted on 2021/11/07 Design Stories  

パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」

 
パリはいまだかつてない自転車ブーム。
繁華街にはオシャレな自転車店が増え、セーヌ川沿いの二車線道路の片側は自転車専用道になった。
盗難が頻発するパリでは、なかなか手が出せなかった電動自転車や、電動キックボードも増えてきた。
 

パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」

パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」

(充電したレンタル電動キックボードを再配置する業者)


これには、パリ市が自転車都市を目指す宣言をしたことが背景にある。
渋滞、大気汚染、交通事故の軽減を目的に、車への制限も近年次々と発表してきた。
市内を走行する車の最高時速を30キロに制限にしたり、2030年には電気自動車以外の車両の市内乗り入れ禁止等、自動車ユーザーにとっては厳しい状況だ。
 



パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」

 
そんな中、パリ市より「100%自転車都市計画」が発表された。
市内どこでも100%自転車で移動可能にするための、自転車専用道設置政策だ。
現在既に、1000kmを超える自転車専用道があるが、コロナ禍ロックダウン中に52kmが増設され、更に130kmが追加される予定だ。


今後の自転車専用道開発として、地下鉄の路線図をベースにする「ヴェロポリタン(Vélopolitain)」という提案も興味深い。
例えば、地下鉄M1番線の地上に通る自転車専用道をV1番線と呼び、他の路線上にも、それぞれ同じ名称の自転車専用道を通す。
こうして親しみのあるメトロの線路をなぞることで、具体的にルートをイメージできるようにしている。
M1番線のMはメトロのMだが、V1番線のVは、自転車を「ヴェロー(Vélo)」というので、その頭文字のVから来ている。


これよりも長距離の「RER V」という、パリと郊外を結ぶ近郊鉄道の線路をなぞった自転車道の計画や、更に長距離でEU各国を結ぶ「Euro Velo」という取り組みもあり、自転車でどこまでも行けるのではないかという夢が広がる。
 

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(votez-velo.parisのサイトより)


この流れを更に後押しする補助金の存在も大きい。
パリ在住者であれば、例えば電動自転車を購入する際、車両の税抜き価格の3分の1、最大400€の支援を受けることができる。
フランス版ママチャリともいえるカーゴバイクは、子どもを車両前方に複数人乗せることができるが、その場合の購入補助金は最大600€だ。通常の自転車を電動アシストに変換する場合にも補助がおりる。
また、2005年以前に製造された車を手放すことで、600€分の公共交通パスを支給される。
 



パリ最新情報「100%自転車都市を目指すパリ市の作戦とは!?」

 
だが、自転車の盗難が多いパリ。
2020年には6,631件の盗難報告があり、その数は年々増加傾向だ。
自転車を使いたくないという人の8割が盗難を恐れているという調査結果もあるほど。
それを解決するためのアイデアのひとつに「ヴェローボックス(Vélobox)」という箱状の駐輪所がある。
かつての車の路駐スペースに設置され、最大6台が駐輪できる。
年間使用料75€だが、既存のヴェローボックスの定期契約は定員に達し、今は受け付けていないほどの人気ぶりだ。
 

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(パリ市公式サイトより)


それでも、盗難が心配な人は、気軽に乗り捨てできるレンタサイクルや、レンタル電動キックボードも、スマートフォンアプリひとつで借りられる。
レンタサイクルも、公共交通の一貫というイメージを根付かせた「ヴェリブ(Vélib’)」は、今や1400ヶ所のステーションを中心に、電動自転車を含む2万台のレンタサイクルを街中に配している。
 

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地球カレッジ

 
そこに新規参入してきた企業の電動自転車や電動キックボードは、乗り心地がよく、ステーションにとらわれずに路上で返却できるのが魅力だ。
今では、色とりどりの車両を街で見かけるようになった。
 



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パリの移動といえばメトロだったが、連なる美しい街並みを自転車で堪能するのも魅力的。
スマートフォンさえあれば、簡単に登録し借りることができるので、旅行者にとっても新しい街の楽しみ方になるかもしれない。(ウ)
 

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